【Claude活用】AIエージェントの自動化、最初に手をつけるべき3つとは

AIエージェントを業務に取り入れたいと思ったとき、最初につまずくのが「結局、何から自動化すればいいのか」ということかと思います。

池田朋弘『Claude 最強のAI自動化術』(芸術新聞社)を参考にして。

目次

「小さく始める」が、結局いちばん早い

壮大な設計図から入らない

最初の一歩は思っているよりずっと小さくていい、というのが実感としてあります。

スコープを広げすぎると、最初の1サイクルがいつまでも完成しないため、最初は小さくて成果が見えやすい領域に絞り込む。

結果的にいちばんの近道になると感じます。

では、どのくらいの規模の作業を選べばよいのか。

狙い目は「決まりきった作業」

私たちが自動化の対象を選ぶとき、目安にしている基準が3つあります。

自動化の狙い目となる3つの作業(定期的な作業・整形分類・ツール間の橋渡し)を色分けして示し、入口・ルール・出口が明確な仕事を選ぶとまとめた図

毎週・毎月・四半期ごとに繰り返し発生する、フォーマットが固定された作業

試算表の月次チェックや定例の集計報告などがこれにあたります。

入口(何を渡すか)と出口(何を出力するか)がはっきりしており、かつ、判断のグレーゾーンが少ないため、AIエージェントにとってもっとも組みやすい領域です。

毎月同じ形式で数字を並べるだけの作業などであれば、初めて自動化に取り組む方でも比較的迷わずに組み立てることができます。

リストの整形や、明細の仕分け、書類の振り分けのように、判定のルールがある程度言葉にできる作業

証憑の整理や資料のファイル名整理などは、このタイプです。

「この条件ならこう分類する」という判定ルールを一つひとつ書き出していく作業そのものは地味ながら、ルールさえ言語化できれば、かなり早く成果が出ます。

1つのソフトでは完結せず、複数のツールを行き来している作業

会計ソフトを見て、スプレッドシートに転記して、チャットで報告する。

このように複数のツールをまたいで人が橋渡し役をしている業務は、エージェントによる統合効果が大きく出る領域だと感じます。

逆に、最初は手を出さないほうがいい仕事

「AIは判断を代替しない」という一貫した軸

自動化を考えるとき、狙い目と同じくらい大事なのが、最初に避けたほうがいい領域を知っておくことといえます。

手順が長すぎる仕事、判断のグレーゾーンが大きすぎる仕事、データがそもそも整理されていない仕事。

何より、結果のミスが致命的になる仕事は、最初の対象から外しておくのが安全です。

お客様への重要な回答をそのまま自動送信してしまう、最終的な経営判断そのものを任せてしまう、本番のデータをAIに直接書き換えさせてしまう。

こうした領域は、十分に他の自動化の経験を積んでから取り組むくらいでちょうどよいのではないかと思われます。

AIが作業し人が確認・判断する役割分担を、AIに任せる仕事(資料整理・定型ルールでの分類・回答の下書き)と人が担う仕事(税務上の専門判断・例外や不明点の確認・お客様への最終回答)に分けて示した図

事務所として最初から決めている境界線

当事務所でも、税務上の専門的な判断や、お客様への最終的な回答は、必ず人の目を通すという線引きを決めています。

資料の整理や定型的な仕訳の分類はAIに任せる一方で、判断が必要な場面は必ず確認事項として提示させ、最終的な回答は人が行う。

「AIは判断を代替するのではなく、手を動かす部分を代替する」という考え方が、事務所として一貫した軸になっています。

この軸を最初に決めてしまえば、あとは「この作業はどちら側か」を当てはめていくだけで済みます。

迷うたびにゼロから考え直す必要がなくなり、結果として、自動化の範囲を広げるスピードも上がっていくように感じています。

最初の一歩でつまずきやすい4つのパターン

自動化でつまずきやすい4つの進め方(壮大に始める・全件を一気に流す・確認を省く・ルールを残さない)と、それぞれの正しい進め方(1業務の1ステップから・まず1件で試す・最初は1件ずつ確認・決めごとをメモに残す)を対比させた図

壮大に始めすぎる・全件を一気に流す

狙い目と境界線を踏まえたうえでも、最初の一歩でつまずくパターンにはいくつか共通点があります。

最初から壮大な自動化を目指してしまう

「経理も請求書発行もまとめて」と欲張ってしまう気持ちは分かりますが、スコープが大きいと最初のサイクルがいつまでも完成せず、結局手つかずのまま終わってしまいます。

まずは1つの業務の、1つのステップだけを自動化することから始めるのが、遠回りに見えて結果として近道になります。

まとめて全件を投入してしまう

まとめて流すと、途中でズレが起きていても気づくのが遅れ、最悪の場合は100件すべてを見直す羽目になります。

必ず1件だけで試してズレがないかを確かめてから、少しずつ広げていくほうが結果的に早く済みます。

確認を省きすぎる・ルールを書き残さない

AIに任せすぎて確認を省いてしまい、結果がずれたまま気づかないパターンもあります。

慣れないうちほど、確認しすぎるくらいでちょうどよいというのが実感です。

最初は一つひとつ丁寧にチェックし、慣れてきたら確認のステップを少しずつ減らしていく。

この順番を守ることが、安心して任せられる範囲を広げていくコツだと思います。


また、決めたルールをその都度書き残さず、毎回ゼロから依頼してしまうパターンもあります。

最初のサイクルで気づいたこと、例えば、「この項目はこう判断する」「この形式は避ける」といった細かな決めごとを記録しておかないと、2回目以降も同じ説明を繰り返すことになり、結局続かないということになります。

新しく入ったスタッフに、仕事のルールをメモとして渡しておくのと同じ発想です。

最初の一歩はそれなりに重たいのですが、そこさえ越えてしまえば、二歩目からは驚くほど軽くなっていくと感じています。

街角の花壇に咲くマリーゴールドとパンジー

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この記事を書いた人

長崎で活動する
税理士、キャッシュフローコーチ

酒井寛志税理士事務所/税理士
㈱アンジェラス通り会計事務所/代表取締役

Gemini・ChatGPT・Claudeなど
×GoogleWorkspace×クラウド会計ソフトfreeeの活用法を研究する一方、
税務・資金繰り・マーケティングから
ガジェット・おすすめイベントまで、
税理士の視点で幅広く情報発信中

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