Claudeの自動化の「地図」を持っておく。これがあるかないかで、Claude Codeを実務に投入したときの迷いの少なさがまったく変わってきそうです。
業務自動化を見立てるための2つのものさしについて。
池田朋弘『Claude 最強のAI自動化術』(芸術新聞社)を参考にして。
Claude Codeを触る前に、まず「地図」を持つ
「何ができるか」から入ると迷子になる
Claude Codeに限らず、AIエージェントを業務に取り入れようとすると、多くの人がまず「何ができるか」から入ります。
できることを知るのは大切ですが、それだけでは「では自分の業務のどこから手をつければいいのか」がなかなか見えてこないものです。
むしろ大事なのは、自動化の考え方そのものの地図を持っておくことだと感じています。
地図があれば、ツールが変わったとしても迷うことがありません。
地図は2つの軸でできている
書籍によると、この地図は、2つの軸でできているとされていました。
縦軸は「接続スコープ」、つまり、「AIエージェントがどこまで手を伸ばせるか。」
横軸は「運用ステージ」、つまり、「どこまで人の手を離れて自走できるか。」
この2軸を掛け合わせると、自動化のパターンを9つのマスに整理できます。

2つのものさしの中身を見てみる
縦軸「接続スコープ」—ローカル・ハブ・ディープ
縦軸の「接続スコープ」は、次の3段階に分かれるとされます。
ローカル
手元のパソコンの中だけで完結する範囲です。
デスクトップのファイルやメモを読み込ませ、その場で要約や下書きを作ってもらう。
ハブ
標準的なコネクタやMCP(Model Context Protocol。AIエージェントが外部サービスとやり取りするための共通の窓口のようなも)を介し、外部の業務ツールとつながった範囲です。
会計ソフトやカレンダー、メールなど、日常的に使っているクラウドサービス群が一気に視界に入ってきます。
ディープ
コネクタやMCPの守備範囲を超えて、AIにプログラムを書かせてAPIを直接操作したり、ブラウザを画面操作させたりする領域。
単なる操作の代行ではなく、仕組みそのものを組み立てるというフェーズになります。
横軸「運用ステージ」—オンデマンド・オペレーション・オートメーション
横軸の「運用ステージ」も3段階です。
オンデマンド
その都度お願いするスタイル。
オペレーション
人が起点となって同じ型の作業を繰り返すスタイル。
オートメーション
人の手を離れて無人で走り続けるスタイルです。
この2軸を掛け合わせると、自分がいまどこにいて、次にどこを目指せばいいのかが一目で分かるようになります。
営業・マーケティングの現場で見るとどうなるか
営業の現場であれば、ローカル×オンデマンドは「商談の議事録を読み込ませて、その場で提案書のドラフトを作ってもらう」という段階になります。
ハブ×オートメーションまで進むと、「翌日の商談を毎朝自動で棚卸しして、顧客ごとのブリーフィングが定刻に届く」という段階まで自走します。
マーケティングの現場であれば、ローカル×オンデマンドは「ブランドガイドラインと過去のヒット施策を読み込ませて、コンテンツの校正や見出し案をその場でもらう」段階。
ハブ×オートメーションまで進むと、「業界トレンドや競合動向を定刻でウォッチし、提案レポートと試作クリエイティブが毎朝届く」という段階です。
同じ2軸でも、業務が違えばマスの中身はまったく違うものになります。
自分の業務がどのマスに近いかを考えるだけで、次にやるべきことがずいぶんはっきりしてくるのではないでしょうか。

ものさしをどう使うか、Claude Codeとどう組み合わせるか
原則は「左上から少しずつ右下へ」
最初から右下(ディープ×オートメーション)を目指さないほうがよいとされています。
いきなり全部を自動化しようとすると、途中でつまずいたときにどこが悪いのか分からなくなりますし、まずは左上、ローカル×オンデマンドから始めて、慣れてきたら少しずつ右下に向かって広げていく。
これが遠回りに見えて、実は一番の近道だと感じています。
具体例から、自社の一歩目を探す
「では自社は何から始めればいいのか」と迷ったら、身近な業務から具体例を眺めてみるのも一つの方法といえます。
営業・顧客対応であれば、商談後のフォローメールを議事録から自動で下書きする、取引先の人事異動や経営動向を追跡してCRMに反映する、といったあたりが取り組みやすい入り口になります。
マーケティング・コンテンツであれば、競合サイトを定期巡回して価格や商品ラインナップの変更点をレポート化する、複数の業界ニュースサイトから自社に関係の深いトピックだけを週次で要約する、といった具合です。
どれも派手さはありませんが、いずれもローカルやハブの、オンデマンドからオペレーションのあたりに位置する取り組みです。
