「やり方(技術)」も「あり方(姿勢)」も

他人のために何かしようと思うとき、「やり方(技術)」も「あり方(姿勢)」も両方大事だと実感します。

河合隼雄「カウンセリング入門」(創元社)を読んで15年で学んだこと。

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沈黙は何分待てばよいか?

河合隼雄「カウンセリング入門」(創元社)を読んでいて、カウンセリングには沈黙(話し手がじっくり考えている時間)も大事で、その後に意外なことも出てくることも多いので、相手の沈黙もしっかり大事にした方がよい、といった話の後、受けた質問で、「何分間辛抱したらいいのですか?」というものがありました。

何分ならよい、などの基準がありようもありません。

対する河合さんの受け答えとして、「辛抱できるなら何分でもやってみるのがよい。自分が辛抱できなくなってウロチョロしだすのなら、何か言った方がよい」というものでした。

「言うのであれば、話題を横に振って『ご飯何を食べましたか?』などということは言わない方がよく、あくまで相手の話のペースに沿ったことにするのがよい」とのことでした。

非常に的確だと思いました。

「やり方(技術)」も「あり方(姿勢)」も

例えば、沈黙があるなら待った方がよい、などといった技術論は多々あります。

これは臨床心理学に限るものではなく、税理士としての仕事にも当てはまるものだと思います。

技術は非常に大事だけれども、それ以前に、相手の役に立とうという気持ち、本当に聴いていこうという気持ちがないとまったく意味がありません。

もっと全体的な人間としての姿勢が必要ということですね。

基礎工事も建築物も

例えると、基礎工事がきちんとしていない場所に、いくら立派な建築物を建てようと思ってみたところで傾いて成り立たりません。

税務や財務コンサルティングといった技術も重要ながら、それ以前に、真摯に相手の状況・物語に耳を傾け、相手の役に立とうとする気持ちが重要。

言葉面ではなく、その真意として、本当に何に困っているか、をよく洞察する姿勢が大事だな、と思わされます。

先日、とある場所から見た軍艦島。本当に軍艦のようです。

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