銀行では、融資申請する企業の税務申告に添付している法人事業概況説明書の何をどのように見ているか。
諸留誕著「顧問先の銀行融資支援スキル 実装ハンドブック」(日本法令)を参考にして。
目次
銀行は税務申告書も見ている
銀行は、融資申請する企業から、決算報告書だけでなく税務申告書・勘定科目内訳書・概況書もあわせて預かるようにしています。
銀行が、税務申告書を見てどこまで内容が分かるかどうかについては個人差があるといわれていますが、融資申請資料として渡している以上、分かると考え、対処したり工夫したりしたほうがよいと考えられます。
法人事業概況説明書のチェックポイント
期末従事員等の状況
- 最新の人員数に更新されているか
(1人あたりの売上高・人件費・利益などの把握に使われる) - 裏面月ごとの従事員数も、最新の人員数に更新されているか
(採用・退職・定着率などの把握に使われる)
主要科目
- 決算書との金額と一致しているか
事業形態
- 差別化ポイントがアピールてきるようにビジネスモデルが表現できているか
- 現金売上・掛売上の割合は正確か、更新されているか(資金繰り表の正確性・妥当性の把握に使われる)
主な設備等の状況
- 機械・自動車・店舗・倉庫などが記載されているか
- 設備資金ニーズの把握ができる程度の情報が記載されているか
決済日等の状況
- 売上・仕入・外注費・給料の締め日と決済日が記載されているか、更新されているか
- 売上高など決算書の金額の残額との齟齬はないか(不良債権・架空債権はないか)
月別の売上高等の状況
- 決算月の売上は他月や前期同月と異なる場合、説明がつくか(粉飾していないか)
当期の営業成績の概要
- 売上高・売上総利益率・営業利益率の増減理由が記載されているか
- 特別利益・特別損失の計上された理由が記載されているか