Claude Codeでは、同じ内容の設定でも、ファイルをどこに置くかによって反映される範囲が変わります。自分だけに反映されるのか、チーム全員に反映されるのか、あるいは誰にも変更できないのかが、置き場所で決まるためです。会社のルールを守らせたいときは、何を書くかと同じくらい、どこに置くかが大切になります。
Oikon・前川蒼『Claude Code実践入門 Agentic Coding』(SBクリエイティブ)を参考にして。
Claude Codeの設定ファイルは「置き場所」で反映される範囲が決まる
2つのファイルの役割
Claude Codeの設定には、大きく2種類のファイルがあります。
- CLAUDE.md
プロジェクトの情報やルールをClaude Codeに伝えるためのメモ。 - settings.json
Claude Code自身の動作を決める設定ファイル。権限の許可や禁止もここで決める。
どちらも、置く場所によって、「どのプロジェクトで読み込まれるか」が変わるとされます。
自分のパソコンに置くか、プロジェクトの中に置くか
例えば、自分のパソコンのホーム側にある「.claude」という名前のフォルダに置けば、自分のすべてのプロジェクトで読み込まれます。
プロジェクトの中の「.claude」フォルダに置けば、そのプロジェクトで起動したときだけ読み込まれます。
この「どこに置くと、どこまで届くか」という考え方は、自動で実行される処理(Hook)や外部ツールとの接続(MCPサーバー)など、Claude Codeの他の機能にも同じように当てはまります。

4つのスコープと優先順位
反映される範囲は4種類
設定ファイルが反映される範囲は、「スコープ」と呼ばれる4種類に分かれます。
- マネージドポリシー
企業のIT部門が組織全体に強制する設定。
対象は組織内の全ユーザーで、個人やプロジェクトの判断では変えられない。 - ユーザー
自分の作業環境を整える設定。
自分のすべてのプロジェクトで共通して使う。 - プロジェクト
チームで共有したい設定。
プロジェクトの中に置いて共有するため、新しく加わったメンバーも最初から同じ設定で始められる。 - ローカル
同じプロジェクトの中でも、人によって違う設定を置く場所。
共有の対象にはせず、自分だけのものになる。
同じ項目が重なったときの優先順位
同じ項目が複数のスコープに書かれていた場合は、優先順位の高いものが採用されます。
順番は、マネージドポリシー→ローカル→プロジェクト→ユーザーです。
ローカルがプロジェクトより上にあるのは、同じプロジェクトの中でも個人差を吸収するための設定という位置づけだからと思われます。

組織のルールは上書きされない
マネージドポリシーが最優先である理由
マネージドポリシーが最優先であるのは、組織のセキュリティの決まりを個人やプロジェクトの設定で破れない設計にするためです。
機密ファイルへのアクセスを禁止する、ネットワークの接続先を許可したものに限る、といった「個人の判断で外されては困るルール」を、上書きできない設定として置きます。
書籍の例としては、権限の確認を飛ばして動かすモード(Bypass Permissionsモード)の利用を組織が禁止している場合、個人が自分の設定で有効にしても有効になりません。
起動時の指定でも上書きできない
Claude Codeは、起動するときに指定を加えて設定を変えることもできます。
例えば、使うモデルを指定すると、ユーザーやプロジェクトの設定より優先されます。
ただしマネージドポリシーだけは例外で、起動時の指定でも上書きできません。
組織が特定のモデルを指定している環境では、別のモデルを指定しても、組織が決めたモデルが使われます。

当事務所での置き方
当事務所では、この考え方を次の2点で取り入れています。
- 最上位に組織の指示
「正確さを速さより優先する」「秘密情報は読み取らない」といった決まりを、個人の指示より優先される最上位の指示として置いています。
マネージドポリシーと同じ考え方です。 - 危険モードの封鎖
権限の確認を飛ばして動かすモードは、設定で起動できないようにしています。
ルールを守らせるには、何を書くかだけでなく、どこに置くかまで含めて設計するものだと思われます。
