経営計画、そもそもなぜ立てる必要があるのか、なぜ定期的に見直す必要があるのか、を改めて考えてみました。
作間信司「一倉定の社長学」(プレジデント社)を参考として。
なぜ経営計画が必要なのか
「経営計画」がなぜ必要なのか。経営を計画に落とし込むことにどのような意味があるのか。
逆に、「経営計画」がないと、すべては経営者だけの頭の中にあるということになります。
社員や銀行など外部と一切関係なく、1人で事業を行うのであれば、頭の中だけにある状態でもよいのかもしれません。
しかし、多かれ少なかれ、他者との関係性のなかで事業を行っている以上、他者との”共有”が必要になってきます。
もし従業員がいたとして、すべての事業プランが経営者の頭の中だけにあったとしたら、どのように行動すればよいかが分かりません。
経営者自身も、従業員に対して、必要な都度、口頭で伝えることになります。
そうすると、ニュアンスが伝わらず、毎回微妙に話す内容・指示が違ってしまったり、重点が違ってしまったり、受け止め方にバラツキが出てしまったり、それぞれの理解で行動する結果、連携がうまくいかなかったり、といった混乱が生じることになります。
多くの人で1つの事業を行う以上、「文字」と「数字」とで作成する「経営計画」は、会社全体の”情報共有”として非常に重要であるということになります。
行動のシミュレーション
「経営計画」にアウトプットする過程で、さらによいこともあります。
文字と数字に落とし込むことで、頭のなかでなんとなく考えていることを、形にすることができます。
事業の将来を考えるうえで、事業全体のサイクルをより具体的にイメージしていくことができます。
設備投資→仕入→製造・販売→売上→納税・返済、という流れです。
なぜ定期的な見直しが必要なのか
一度作成した「経営計画」は定期的な見直しが必要です。
なぜなら、経営の環境は日々変化しているからです。
環境が変わり、お客様の価値観(=ニーズ、欲求)は変わっていくため、自社の事業や扱う商品も変わっていくということもしばしばです。
一方で、お客様の価値観として変わらないものもあります。
また、自社の価値観(理念、ミッション)として、変えてしまってはいけないものもあります。
環境の変化を感じ、受け止めたうえで、自社の何を変え、何を変えないべきなのか。
定期的に見直すことで、”事業の継続”という視点から考えることができます。