重要な情報は他人に任せず、自分の目で確かめて判断する仕組みを作っておきたいところです。
作間信司「一倉定の社長学」(プレジデント社)を参考として。
会社にとって重要な情報はどこにあるか
会社にとっての”重要な情報”はどこにあるか。
まずはそこを定義づけておくことが必要になりそうです。
商売の絶対的な基本原則として、「購入するかどうかの決定権は、絶対的にお客様が握っているという事実」です。
自社がどれだけ買って欲しくとも、お客様が買うと決めなければ、売買が成立しません。
つまり、会社にとっての重要な情報は、”お客様に関する情報”ということになります。
お客様が現在の商品に満足しているかどうか、何に不満を感じているか、何を要望しているか。
それが会社の現状と未来を決定づけることになるからです。
社員に任せず自分の目・耳に確かめる
社員が増え、組織が大きくなってくると、会社に関する業務を役割分担していくことになります。
そのときに、ともすると経営者は奥にこもり、データのみで情報を判断しようとすることがあります。
しかし、データで掴める情報などというものは、全体のごく一部にしか過ぎません。
また、そのデータそのものも、集め方・切り取り方で精度がバラバラです。
データは、自分の目で確かめるためのきっかけづくりに過ぎないという程度がよいように思います。
データや他者からの報告のみで経営判断するということは非常に危険なことにすら思えます。
経営者だからこそ気づくこともある
会社にとって超重要な部分である「お客様と接する面」について、社員任せにせず、データ任せにせず、経営者自らが直接動き、目と耳で確認するということは、決して外してはいけないポイントなのだと思います。
経営者がお客様と直接接する機会を必ず作るということにより、他にも、以下のような効用が考えられます。
- 自社の商品がお客様のお店のどこに置いてあるかなど、経営者だからこそより”自分ごと”として気づくことがある
- お客様から得られる情報が、担当者レベルではなく、より上の階層の情報を得ることができる
- 社員の不得意な部分によって取りこぼしていたニーズを拾うことができるかもしれないという可能性が出てくる
- お客様からの印象がよりよくなる(より親身になってくれているという印象になる)可能性が高い
- より会社にとっての”自分ごと”としてお客様のニーズやお困りごとを聞くことができる
取引先が増えてくると、経営者がすべての取引先にまめに接することはできないかもしれませんが、そのような場合には、営業社員からの日報報告を工夫・強化し、単なる管理ツールとしてではなく、お客様の要望・不満・問合せ・何を言われたかなどを細かく記載し、把握できるような仕組みを作る必要があります。