細かいニーズを拾えるか、細かい対応ができているか、大手に真似できないこれらができているかを定期的に考えみたいところです。
作間信司「一倉定の社長学」(プレジデント社)を参考として。
大企業との差別化を考える
事業をするとなると、イメージがどうしてもテレビ・新聞など、大企業の華やかさにどこかしら引っ張られがちで、”事業ってこんな感じなのでは”・”事業とはそうしなければならないのではないか”と無意識に思ってしまいがちなところがあります。
しかしながら、一から創業・参入するとなると、これら大企業と同じことをやっても、確実に霞んでしまいます。
頑張って張り合おうとしても、経営資源(ヒト、モノ、カネ)に絶対的な差があるので勝てる見込みもほぼありません。
現実問題、大企業と同じ市場で戦っていこうと思うと、大企業とは異なる発想(ときには真逆の発想)を持つ必要があります。
その発想において、どのような着眼点を持つとよいかと考えると、まずは大企業ゆえの特性を理解したいところです。
実際に競合する大企業の地域支店がどのような特性を持っているかを、まずリサーチしておきたいところです。
例えば、以下のような特性が考えられます。
- 全国で画一的な商品を取り扱っている
- 定期的な人事異動がある
- 支店社員は本部の方針に基づいて(向いて)行動し、自発性を持ちづらい
- 独自のことをやるには本部決裁が必要
- 本部は、地域の細かなニーズの動向までは掴みづらい
- 支店責任者には人事異動があるので、地域に根ざす発想を持ちづらい
- それでも成果が出せる支店責任者は出世するので、結果的に本社に戻っていく
細かいニーズを拾う
上記のような大企業ゆえの特性を理解すると、中小企業として方針の着眼点が見えてきます。
- 多様化しているお客様のニーズを拾う
- 画一商品では拾いきれない細かいニーズを拾う(意図的に仕組みを持つ・アンテナを張る)
- 細かく対応できる体制を作る
- 地域の市場の構造、お客様の購買パターンの変化にアンテナを張る
- 同じ人が同じく担当する強みを理解して活かす
- オーナー企業でトップ交代がない分、超長期戦略が持てる強みを活かす
積上げ→安心・信頼→ブランド
上記の中小企業の”強み”を念頭に置いて、それを具体的に行動パターンに落とし込むとすると、
「トップが直接、お客様と定期的に接する」
という、一見当たり前のように思えて、当たり前すぎてともすると会社の成長過程で置き去りになりがちな上記の行動へと帰結していきます。
作間信司「一倉定の社長学」(プレジデント社)において、一倉定先生の「定期訪問が最強」という言葉が紹介されています。
「お客様へ安心感を与える」
「お客様のニーズの変化を直接感じることができる」
定期訪問による上記のメリットは、中小企業が”強み”を活かすうえで大きな効用を持つと考えられます。