起業準備をお金の面から考えてみたとき、どのような準備が必要か。
今井孝著「起業1年目の教科書」(かんき出版)を参考として。
起業時のお金の不安を解消するには
起業には、お金の不安がつきものです。
”不安”とは”見えないこと”から来るものなので、見える化してしまうことで、具体的な向かっていくべき方向性が見え、結果、お金の不安が軽減することになります。
起業にあたっては、「どれだけ自己資金が必要か、貯められるか」がひとつのポイントになってきます。
起業時に資金が潤沢であればあるほど、余裕をもって事業を行うことができるからです。
起業準備時に勤務していたとして、短期間で収入を増やすことが難しいと思われるため、”支出を見直す”という点を着手したいところです。
特に、生活における「固定費」をピックアップして整理し、シェアの大きなものから順々に見直しをかけていくとよいと思われます。
- 家賃:安いところに引っ越すことを検討する
- 通信費:携帯プランを見直す
- 保険料:過剰な保障になっていれば、それを削る
- 車両費:都心に住んでいて電車・バスで代替できそうであれば、手放すことを検討する
- 食費:外食回数を見直す
- 服:質や購入頻度を見直す
- ネットや雑誌等のサブスク:不要なものがあれば解約する
逆に、起業後につながるものであれば、積極的に投資していきたいところです。
例えば、人的コネクション整備、セミナーなどです。
”テスト用予算”という考え方を持つ
”金銭的な失敗をしたくない(損したくない)”と思う方が、一般的です。
一方で、事業では、商品開発しても売れなかったり、広告費をかけても反響がなかったり、お仕事をしたのに料金を回収できなかったりと、様々な”損するポイント”があるものです。
つまり、事業においては、”一切のリスクなく、やることなすことすべてうまくいく”といったことはないということになります。
そのため、事業を考えるにあたっては、「初手は反応を見る」というプロセスを設けたほうがよいと考えられます。
①いったんリリースしてみて、②周囲の反応を見ながらブラッシュアップし、③その後に大きく事業展開する、という順番で考えていきたいところです。
そこで、”事業においては、損することもあれば得することもある”と割り切ったうえで、「テスト用予算」という発想を持つとよさそうです。
最初から損する限度額が決まっていれば安心ですし、損はしてもあくまで”次につながるテスト”なので、そこから次にどのようにするかということが本格的な事業のスタートであると捉えることができます。