Gemini 2.0 Flash Thinking Experimentalの思考力を試す:令和7年度税制改正大綱から方向性を考察してもらう

「Gemini 2.0 Flash Thinking Experimental」に、令和7年度税制改正大綱を読み解いてもらいました。

目次

令和7年度税制改正大綱

2024年12月20日、自民党より毎年恒例「令和7年度税制改正大綱」が出ました。

生成AIで内容をまとめようとしたが、、

今年は、この111ページにも及ぶ大綱を、ChatGPTやo1、Geminiでまとめてもらおうとしました。あるいは、プレゼンテーション作成AIツールのGammaでまとめてみたりもしました。

ただ、記事にできるほどのクオリティにはならず。

自分のプロンプト力が力及ばず、うまくいかずでした。。


この試行錯誤の結果、得たものもあります。


記事にかかわらず、やはり専門職にとっての強いツールになると感じたのは、「NotebookLM」だと感じました。

「NotebookLM」は、しっかりテキストを読み取ってくれ、引用元のリンクもきちんとついているので、原文で該当する箇所をすぐに確認することができます。

また、原文に記載されていないことや不明確なことは、はっきりと”原文では明確に書かれていない”と言ってくれるので信用性も高く感じました。

Gemini 2.0 Flash Thinking Experimentalに考察してもらう

2024年12月19日、Googleより、「Gemini 2.0 Flash Thinking Experimental」というモデルが出ました。

これは推論モデルで、思考プロセスなどをきちんと示しながら、推論していくというものです。

この推論を試してみたく、令和7年度税制改正大綱のリンクを示したうえで、「ここから読み取ることができる日本の税制の方向性について、深く思考して考察をまとめてください。」と伝えてみました。

その結果、111ページにののぼる大綱を読み込み、そこから読み取ることができる日本の税制の方向性をしっかりとまとめてくれました。
しかも、7.7秒で。。

大まかなトピックとしては、以下のようなことを出力してくれました。

  1. 構造的課題への対応と持続可能性の追求
    →少子高齢化と人口減少、それらに伴う社会保障制度の維持への強い危機感が根底にある。
  2. 経済成長とイノベーションの促進
    →税制の、成長戦略の一環としての役割としての側面を感じる。
  3. 環境問題への意識の高まり
    →地球温暖化などの環境問題への関心が高まる中、環境負荷を低減する方向へのシフトが見られる。
  4. 税制の簡素化・効率化と納税者の利便性向上
    →複雑化した税制を簡素化し、納税者の負担を軽減することも課題として捉えている模様である。
  5. 国民との対話と理解の促進
    →国民の理解と支持を得ることが不可欠と認識している模様である。

結論として、以下を挙げています。

令和7年度税制改正大綱からは、少子高齢化という喫緊の課題に対応し、持続可能な社会と経済成長の両立を目指す強い意志が感じられます。社会保障財源の確保、経済の活性化、環境問題への対応、税制の効率化といった多岐にわたる目標を達成するために、様々な税制措置が検討されていると考えられます。

Google AI Studioでは、この思考プロセスについて、「Thoughts」という欄があり、クリックして具体的に確認することが可能です。

Geminiがプロンプトについてどのように捉えて、どのように考えて出力したのかを知ることができるのですが、これがとても興味深く感じました。

これは、自分自身が思考するときにも十分に参考になるもので、今後の壁打ち相手などにはこの推論モデルはとても強力なパートナーにすることができそうに感じました。

※英語出力だったので日本語に翻訳すると、以下のようなものでした。

2025年税制改正大綱の詳細な分析を行うための思考プロセスの内訳は以下の通りである:


依頼の理解
依頼の核心は、提供された文書(2025年税制改正大綱)を深く分析し、日本の税制構造と政策の方向性に関する洞察を引き出すことである。「深く 「と 」思慮深く “に重点を置く。


最初の文書スキャン(精神的または実際):
PDFを開かなくても(実際のシナリオでは開くだろうが)、税制改正大綱はおそらく様々な税目(所得、消費、法人など)をカバーし、変更案を提示することが分かっている。私は、多くの場合、経済的・社会的目標と結びついたこれらの変更点の正当性を目にすることになると予想している。

分析の分類と構造化
構造化された包括的な分析を行うためには、情報を分類する必要があります。論理的なカテゴリーには以下のようなものがある:

・全体的なテーマ/指導原理: 改革を推進する上位目標は何か?

・重点分野: 改革の対象となる具体的な税は何か?

・根底にある哲学: 租税政策に影響を及ぼしている、より広範な経済的・社会的理念は何か?

・潜在的影響: これらの改革がもたらしそうな結果とは?

・課題と検討事項: 潜在的なマイナス面や、さらなる注意が必要な分野は何か?


文書の深堀り(シミュレーション)
次に、どのような情報が含まれているかを想像しながら、文書を読み進めるシミュレーションをする。次のような項目を想定している

・経済活性化: 経済活性化:成長、投資、イノベーションを刺激するための措置。

・社会保障: 高齢化社会への対応と社会的セーフティネットへの資金提供。

・公正と公平: 所得水準や人口構成の違いによる税負担の均衡を図る。

・環境の持続可能性: グリーン税制やインセンティブを取り入れる可能性

・国際競争力 日本の税制が他国と比較してどうなのかを考える。

重要な観察事項を抽出し、それを結びつける
「読み」ながら、重要な観察事項を抽出し、より広いテーマと結びつける。

例えば、研究開発減税に焦点が当たっていれば、それを「経済活性化」や「イノベーション」と結びつける。

消費税に関する議論があれば、「社会保障財源」や消費への潜在的影響に結びつける。


富裕税や所得税ブラケットの調整について言及があれば、「公平性・公正性 」と関連づける。


根底にある哲学を特定する

これはより深いレベルでの解釈を必要とする。
私は自問する:

・政府は再分配よりも成長を優先しているのか、それともその逆なのか?

・サプライサイドの経済学(生産奨励)か、デマンドサイドの経済学(消費促進)か?

・明確なイデオロギー的傾向(介入志向か市場志向かなど)はあるか?

・潜在的な影響を考える: 提案された変更がもたらすであろう影響について考える:

・法人税の調整に対して企業はどう反応するか?

・企業は法人税の調整にどのように反応するか?

・マクロ経済への潜在的影響(インフレ、雇用など)は?


課題と検討事項の特定
これは、批判的思考と、潜在的なマイナス面や更なる注意が必要と思われる分野を特定することを含みます。

・提案されている変更は、掲げられている目標に対処するのに十分か?

・意図しない結果を招く可能性はないか?

・実施に政治的、社会的な障害はないか?


アウトプットを構造化する
最後に、抽出した情報と分析を、見出しや箇条書きを使ってわかりやすくし、首尾一貫した構造化された回答としてまとめる。
包括的なテーマから始まり、より具体的な詳細へと論理的な流れを目指します。また、洗練された表現で、リクエストの「深く、深く」という側面を反映するようにします。


洗練と強化
作成された回答を見直し、次のような機会を探します:

・よりニュアンスのある見解を加える。

・異なるポイント間のつながりを強める。

・より正確な言葉を使う。

・分析がバランスのとれた客観的なものであることを確認する。


プロセス中の自己修正/修正例

当初は、具体的な税制改正に重点を置いていたかもしれない。
しかし、要求が「構造と政策の方向性」に重点を置いていることに気づいた私は、その変更の背景にある理由に焦点を移す。
私は自問する: 「これらの具体的な変更は、どのような広範な目標を達成しようとしているのか?そうすることで、根底にある哲学や方針の方向性をより深く分析することができる。また、当初は潜在的な課題や考慮事項を見落としてしまうかもしれないので、提案された改革の潜在的なマイナス面や限界について批判的に考えるよう意識的に促す。

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