相手にただ言葉を投げかけるのではなく、相手の”言動の理由を知る”ようにしたほうがよいと思わます。
D・カーネギー著「人を動かす」(創元社)を参考にして。
議論や非難では変わらない
たとえ相手の考えが誤っていたとしても、相手自身はそれを誤っているとは思っていないものです。
そうである限りは、たとえ非難をして相手の意見をねじ伏せようとしても、たとえ議論をして相手の意見を変えようとしても、現実問題として、相手は意見を変えようとはしません。
相手にとっては、自身こそが最も大切なものであって、そして、少しでも他人から認められたいと思っていて、他人からの意見というものは二の次三の次になってしまいます。
理由を知る
D・カーネギー著「人を動かす」(創元社)で紹介されていたケネス・グードの言葉は興味深いものです。
自ら顧みて、自分に対する強烈な関心と、自分以外の者に対するいい加減な関心とを比較し、次に、その点については、人間は皆同じであることを考えれば、あらゆる職業に必要な原則を把握することができる。すなわち、人を扱う秘訣は、相手の立場に同情し、それをよく理解することだ。
D・カーネギー著「人を動かす」(創元社)より
人間にとって、”自分というものに対する関心は強く、自分以外の者に対する関心は弱い”ということは法則ともいえるものなので、逆にいえば、その逆を行くことによって、結果として、他人から関心を持ってもらえるようになるともいえます。
ただ非難をしたり議論をすることは誰にでもできるものですが、そこから一歩進んで、相手が持っているその”正しさ”の理由を探し出そうと努めることで、相手の性格や行動のクセを把握したいところです。
相手の身になって考えてみる
相手の言動の理由を知るには、まずは、相手のことを理解できければいけません。
相手の話・意見を聞き、その話し合いの目的や方向をはっきりさせたうえで、まずはそれを尊重すること。
これは、最大限に「相手の身になって考える」ということを実践できてはじめてできるようになると思われます。