”現代特有の欲求”を示すキーワードを整理。
石川侑輝著「インスタで“推し”になる方法 400万フォロワーを分析したプロのノウハウ」(クロスメディア・パブリッシング)から考えたこと。
「価値」とは”欲求を満たすこと”
「価値」のあるものに対してお金が発生し、それが事業として成立するということになります。
では、何をもって価値があるということになるのか。
それは、人の”~したい”という欲求を満たすことであると考えられます。
例えば、欲求とは以下のようなものです。
- 食べたい・飲みたい
- 快適に眠りたい
- 快適に過ごしたい
- 心配事・困っている事から解放されたい
- 健康になりたい
- お金が欲しい
- より便利なもの・質の高いもの・効率的なものを使いたい
- コスパのよいものを手に入れたい
- 他人と繋がりたい・仲間が欲しい・仲間を守りたい
- 所属が欲しい・役割が欲しい
- 他人に勝りたい
- 社会的に認められたい
- 特別扱いされたい
- 独占したい
- よい評判が欲しい
- 自分を高めたい
- 目標を達成したい
- 自分を知りたい
”現代特有の欲求”についてのキーワード
時代は変わり環境は変わっていきますが、人間の欲求そのものは変わることがないため、その環境ごとに欲求の発現の仕方は変わります。
そのため、”現代”という環境で考えてみた場合に、人の欲求がどのように発現するのかを知っておきたいところです。
石川侑輝著「インスタで“推し”になる方法 400万フォロワーを分析したプロのノウハウ」(クロスメディア・パブリッシング)での考察は、興味深く感じました。
コレクション
人間誰しも多かれ少なかれ”コレクション癖(収集癖)”があります。
自分の身の回りにあるものを、自分好みのもので揃えたくなるというもの。
昔であればこれがリアルなモノであったわけですが、ネット環境が整ってくるとネット上での自分の身の回りを自分好みのもので揃えたくなるものです。
例えば、Instagramであれば、自分のフィード(投稿欄)は自分好みのもので揃えたくなるものですし、保存リストにも自分好みのものが揃います。
自分らしさを表現
現代においては、「モノ」が十分に充実するようになってきています。
機能による差はあるものの、機能差は以前ほど大きなものではなくなっていますし、ベーシックなものでも十分な満足感を得ることができるようになっています。
また、以前は、学歴・勤務先による差が歴然としていましたが、今は昔ほどではなくなってきています。
「モノ」などが十分となり、他者との差がなくなってくると、”自分と他人との違い(自分らしさ)”に対する渇望が出てくることになります。特にネット上で、自分の個性を示し、それを認めて欲しいという欲求です。
コミュニケーションの創造
様々なことが効率化され、リアルな人間関係が希薄になってくるにつれて、欲求の対象が「コミュニケーションの創造」に切り替わってきているとも考えられています。
「モノ」そのものに対する欲求(=消費)への不足が解消されつつある一方で、「コミュニケーション」への欲求(=消費)を満たしたいという流れです。
自分らしさを知りたいと思うとき、他人とのコミュニケーション(他者の価値観との比較)によってそれが見つかるといったことは往々にしてあるためです。
例えば、Instagramなどでも、物そのものの機能に加えて、”他人に関心を持ってもらえるか”という視点で購入の意思決定がされるようになっています。
非日常体験
「モノ」そのものの機能が充実し、それへの渇望がなくなってくるとともに、他のことへ渇望(=欲求、価値)の視点が移ってくることになります。
地方に住んでいる場合にたまに都市部に行ったり、都市部に住んでいる場合に逆にたまに自然を感じたりと、機能充足による予定調和から離れ、”非日常への体験”を求める傾向です。