”大企業は組織が大きいので意思決定が遅く、中小企業はトップダウンで意思決定が速い”とは、放置して自然とそうなるのではなく、意識してこそ成り立つものといえます。
作間信司「一倉定の社長学」(プレジデント社)を参考として。
”大企業は組織が大きいので意思決定が遅く、中小企業はトップダウンで意思決定が速い”
”大企業は組織が大きいので意思決定が遅く、中小企業はトップダウンで意思決定が速い”
よく聞く言葉ではありますが、なぜそうなるのか・どのようにしてそうなるのか、を考えておきたいところです。
少なくともいえることは、”自然と放置していてもそうなる”のではなく、”中小企業は動き方を常に意識しておいてこそそうなる”ということです。
現実ではどうか
新しいことへの取組みのスピード感を見てみると、上記の”大企業は組織が大きいので意思決定が遅く、中小企業はトップダウンで意思決定が速い”は考えさせられるところがあります。
なぜなら、現実問題としては、世の中の新しいことへの取組みというと大企業の方が先んじて行っていることが多いと思われるためです。
大手は経営資源(ヒト、モノ、カネ)が豊富ですし、新しいことに取り組むための人的投資・設備投資に余裕があり、多少失敗してもリスクを取れる資金力もあります。
さらに、新しい情報の提案をする側も、効率の面から、大企業から順々に話を持っていって提案することになります。
現実には、逆に大手の方がスピードをもって新しいことに取り組んでいることが多いものです。
常に考えてこそ
中小企業の立ち位置は、むしろ「新しいことへの対応」なのではなく、「小回りを効かせることができているかどうか」ということができます。
新しいことに取り組んでいる大手を横目に見つつ、中小企業は以下のような出方の選択肢があります。
- 他社の動向を見つつ、いつ参入するか、あるいは、参入しないか
- 大手の失敗例などを見つつ、それを補完して参入することができるか
- スモールスタート(少額・小規模)でまずは始めてみる
- 大手よりも先行すべく、外国の事例などをよく研究する
これらの判断を縦横無尽に積み重ねることで、中小企業は、大手と異なる立ち位置を築くことができるといえます。
そして、そうあるには、常に考えていなければいけませんし、退くべきときには傷が小さいうちに退き、仕掛けるべきときに仕掛けていく必要もあります。
また、中小企業はトップダウンで経営者の個性に左右される部分がより大きいため、”経営者が好きと思ったものを突き詰める・合わないと思ったらやめる”ことを徹底するだけでも、会社にとって無理なく、かつ、切れのある動きができてくるという面もありそうです。