起業準備のヒントは、現職の仕事のなかにたくさんあるものです。
今井孝著「起業1年目の教科書」(かんき出版)を参考として。
起業を決意→即時、現職を辞めなければならないわけではない
起業を決意したからといって、特別な事情がない限りは、すぐに現職を辞めなければならないわけでもありません。
例えば、「3年後に起業する」「2年後に起業する」と定め、その間に準備するという道もあります。
また、現職をしながら副業という形でスタートすることもできます。
起業を決意した後、現職で得られる経験は貴重
起業を決意してからの現職での業務経験は、これまでと違ってとても貴重なものになります。
いざ起業したらどうする、自分が経営者だったらどうする、など、経営者目線で会社の出来事を考えることができます。
起業したら、すべて自分で行わなければならない
起業したら、すべて自分で行わなければなりません。営業、マーケティング、プレゼンテーション、IT周り、総務、経理などなど。
現職を、”これらを学ぶことができるよい機会”と捉えることができます。
現職では、どのように営業しているか、マーケティングしているか、プレゼンテーションしているか、IT周りはどうしているか、総務・経理はどのようにしているかなど、学ぶ機会が多々あることに気付かされますし、それらに積極的に携わることによって鍛錬することもできます。
現職に積極的になることによって、現職の会社も嬉しいですし、退職までの恩返しを行うことができると思われます。
成功も失敗も糧になる
起業を決意したら、現職でのあらゆる成功も失敗も糧になります。
成功して何らかの実績を得ることができれば、起業後に、それを実績として掲げることができます。
また、失敗経験であっても、そこからどのように挽回したかを語ることができれば、起業後に経験談として周囲に語ることができます。
失敗からどのように考え、挽回したかといった話は、多くの人が興味を示してくれるトピックでもあります。
つまり、現職での経験はすべてが糧になるもので、積極的に吸収して損することはないと思われます。
起業したからといって、いきなり新しいコネクションができるわけではない
起業すると、すべてが一新されるのではないかと思いがちですが、そうでもありません。
特に、起業してから半年~1年ほどは、起業前のコネクションや人間関係をそのまま持ち越すことになります。
そう考えると、起業前の会社とはできるだけ良好な関係でいたほうがよいのは確実です。
普段から上司や社長などと人生観などを話し、人同士の繋がりを作っておくほうがよいと考えられます。
退路があるから安心できる
可能な限り現職と良好な関係でいることで、起業後に何らかの形でお仕事の打診があるかもしれません。
また、”もし起業に失敗したら”と考えると不安にもなります。
そのような場合は、もし失敗したらどのような道があるかを具体的にピックアップしておくことで安心することができると考えられます。
例えば、再就職する、家業を継ぐ、アルバイトで食いつなぐなど。また、具体的に今の自分のスキルで再就職できるかどうかなどを詳細に確認しておくことで安心することもできると思われます。