自社がターゲットとする顧客、自社が持つ独自資産、自社の強み、自社が身を置く戦場、自社商品の売り文句に一貫性を持つことではじめて、会社の方向性・ブランドが確立するといえます。
佐藤義典著「実践マーケティング戦略」(日本能率協会マネジメントセンター)を参考として。
5つの要素
会社が戦略を立てる際の基盤となる要素を、佐藤義典著「実践マーケティング戦略」(日本能率協会マネジメントセンター)では、戦略BASiCSの5要素として紹介しています。
- 戦場(Battlefield)
- マーケティング資産・独自資産(Asset)
- 強み・差別化ポイント(Strength)
- 顧客ターゲット(Customer)
- 売り文句(Selling Message)
より一貫性を考える場合、以下のような流れで理解すると分かりやすくなりそうです。
自社にとって、ターゲットと考える顧客は誰なのかを考えたいところです。
これは、以下の流れを考えた後にもう一度考えることになる場合が多いと思われます。
なぜなら、以下の自社にとっての戦場、独自資産、強みを考えてみると、見直したくなることも多いためです。
どこで戦うのか。誰と戦うのか。
具体的には、競合は何と考えるのか。
自社にとって、他社には持っていない自社だけの独自資産は何なのか。
自社にとって、強み・差別化ポイント(と顧客のなかで認識してもらえているもの)は何なのか。
これは、独自資産に根ざしたものでなければ、持続していくことができません。
自社の独自資産に基づき表面化した強み・差別化ポイントが、顧客のなかで根ざされてこそといえるかもしれません。
独自資産に根ざした自社の強み・差別化ポイントを、戦場のなかで(競合との相対性のなかで)、顧客ターゲットに対して的確に伝えるフレーズ(売り文句)を考えてみます。
競合との対立軸を考える
上記の「5つの要素」を、具体的な自社との競合と比較してみると、自社の進むべき道も見えてきます。
「5つの要素」のうち、「戦場(Battlefield)」は同じということになりますが、他の要素をまずは並べてみることで、競合との違いの現状を知ることができます。
現状を俯瞰したあと、競合との対立軸で不足しているところを見ていくことで、自社が補強すべき部分・行くべき方向性が見えてきます。
補強の視点
「戦場」を変える
正しい戦場・勝てる戦場にいるかどうか。
全要素を考え直すことによって、そもそもの戦場を変えることもできます。
「独自資産」を見直す
環境は変えられませんが、自社は変えられます。
いま一度「独自資産」は何なのかを考えることで、経営資源の集中箇所を考え直すことができます。
「顧客ターゲット」を視点に考え直す
起点はあくまで顧客であるので、顧客を中心点において、見直すという視点もあります。