自社で扱う商品の”役割”を考えれば、ラインナップ・品揃えを考えるときの一助になりそうです。
佐藤義典著「実践マーケティング戦略」(日本能率協会マネジメントセンター)を参考として。
商品の”役割”
自社で扱う商品の”役割”を考えてみると、その配置の仕方・売り方を考える一助になりそうです。
”購入”に関し、究極的には、”無料”であれば、顧客の障壁は最大限低くなった状態になるともいえます。
最初に、お試しとして、慣れてもらうために(=実績を作るために)、サンプリングとして、自社商品のうちごく一部を無料提供してみるというものです。
”顧客がぜひ買いたいと思っているもの”を「目玉商品」として定め、それを呼び水として、自社で扱っている他の商品をあわせて購入検討してもらうためのきっかけとします。
自社が本当に売りたい商品です。
上記の「サンプリング商品」や「目玉商品」といった形で顧客との取引実績(関係性)を作ったうえで、自社商品を買ってもらうという順番になります。
- サンプリングとしての商品
- 目玉(呼び水)となる商品
- 売りたい商品
サンプリングとしての商品
サンプリング商品というと、例えば、新商品ガムなどであれば少しだけ入ったパッケージや、商品を小分けして配布するものというイメージがあります。
そうでない商品・サービスなどを扱っていると、”サンプリング商品など思いつかない”という場合もありえます。
無料で提供するものであるため、あまりコストをかけるわけにもいかないですし、迷うところです。
佐藤義典著「実践マーケティング戦略」(日本能率協会マネジメントセンター)では、そのような場合のアプローチ方法も解説されています。
上記の”新商品ガムなどであれば少しだけ入ったパッケージ”のように、全体のなかの「一部を切り取る」というアプローチです。
物であれば物理的に切り取ることもできます。
サービスであれば、”一定期間無料”など、時間で切り取るということも考えられます。あるいは、一部だけを体験できる、といったことも考えられます。
また、「物」に限らず、「情報」もサンプリング商品となりえます。
「無料診断する」というアプローチもあります。
この場合の留意点としては、診断はその商品・サービスの信頼性の象徴するものであり、客観的である必要があります。
サンプルリング自体、顧客との最初の接点でもって信頼性を作ることがメインの目的であり、そこで正しくない診断をして無理に売上につなげようとしてしまうと一挙に信頼を失うことになってしまいます。
流れを整える
これらのプロダクトフロー(商品導線)について、その導線がうまく流れているかどうかについての定期的なチェックが必要かと思います。
- サンプリングとしての商品
- 目玉(呼び水)となる商品
- 売りたい商品
「サンプリングとしての商品」→「目玉(呼び水)となる商品」→「売りたい商品」という流れが、うまく流れているかどうか。
もしうまく流れていないとしたら、どのようなテコ入れが必要かを考えてみたいところです。
例えば、「サンプリングとしての商品」から「目玉(呼び水)となる商品」にかけて離脱率が高いとしたら、どこがネックになっているか。
「目玉(呼び水)となる商品」から「売りたい商品」にかけて離脱率が高いとしたら、どこがネックになっているか。
佐藤義典著「実践マーケティング戦略」(日本能率協会マネジメントセンター)によると、まずは、「目玉(呼び水)となる商品」から「売りたい商品」にかけての部分を見直すのがよいとしています。
「売りたい商品」が売れないのであれば、そもそも抜本的まずはそこを見直さなければ、事業自体が成立しない可能性も考えられます。
それから、「目玉(呼び水)となる商品」から「売りたい商品」にかけての部分であれば、単純に母数が少なく見直しやすいともいえます。