自社商品を紹介する際、そのメッセージの主人公が誰になっているか考えたいところです。
佐藤義典著「マーケティング戦略 実行チェック99」(日本能率協会マネジメントセンター)を参考にして。
「伝わったメッセージ」からのみ判断される
消費者は、特に新しい商品を購入する場合、その商品の実際の使い勝手を知らないため、広告・HP・店頭などにある「メッセージ」から購入するかどうかを判断することになります。
さらに踏み込むと、「メッセージ」のうち「伝わったもの」のみから判断することになります。
そう考えると、「メッセージ」はかなり重要な役割を担っているということになります。
メッセージの主人公はどうなっているか
自社を紹介するとき、自社商品を紹介するときなど、陥りがちなことがあります。
それは、「当社は」「当社の商品は」「当社のサービスは」という書き出しでスタートしてしまいがちという点です。
この場合、メッセージの主人公が「自社」になってしまっています。
しかしながら、消費者は、基本的に、”自分に関係することにしか興味を示さない=そもそも自分に関係するものしか見ていない”という特徴があるものです。
と考えると、メッセージの主人公は「消費者」でなければ、相手には伝わらず、購入にも繋がらないということになります。
ゴールから逆算して伝える
売り手にとって、開発から性能、そしてそれがもたらす価値というのは、時系列から考えてもスタートからゴールにかけて、という感覚が強いものです。
「当社は」「当社の商品は」「当社のサービスは」という説明は、スタートからゴールまでを伝えるという、売り手にとってはごく自然な行為でもあります。
一方で、消費者にとっての関心事は”自分にどのようによく関係するのか”であるという現実があります。
であれば、まず最初は、お客様にもたらす価値(利便性)=売り手にとってのゴールから説明するのがよいと考えられます。
すなわち、「お客様にとってこの商品にはこのような効果があります。なぜなら~」というメッセージということになります。