要点に心を砕く②

相手の話のなかでの「要点」を繰り返して伝えつつ聞いていくと、少しずつ、相手にとっての問題の焦点が定まっていく効果があります。

古宮昇著「はじめての傾聴術」(ナツメ社)を参考として。

目次

「要点を返す」は難しい

話し手に、少しずつ自分の頭のなかを整理してもらい、話の焦点が少しずつ絞られ、自己理解が進み、自身が最終的に歩みたい道を見つけ出していってもらおうと思うと、聞き手が解決しようとするのではなく、”話し手の心の整理が進むような聞き方”をしていく必要があります。

そこで、話し手の役に立つ聞き方として、”話し手の話の要点を返しながら聞いていく”、というものがあります。

しかしながら、この「要点を返す」、実際にはとても難しいことが分かります。

集中して聞かなければ、そもそも要点がつかむことができません。

要点を掴めないまま、くどくどと返すと、会話が不自然になり、とても鬱陶しいものになります。

要点を返すには

「要点を返す」をきちんとできるようになるには、と考えてみるとき、古宮昇著「はじめての傾聴術」(ナツメ社)の解説はしっくりくる部分がありました。

言葉を返すのではなく心を返すと考えると、わかりやすいかもしれません。相手の心を返すのですから、あなたの観察力、分析力、感受性、知力を総動員して論旨をつかむ言葉を選ばなければなりません。

古宮昇著「はじめての傾聴術」(ナツメ社)より

”ただ聞いている”では要点を掴むことはできないでしょうし、言葉だけを一生懸命聞いても、あるいは要点は掴めないかもしれません。

言葉はもちろんのこと、相手の表情、声の調子、しぐさなどすべてを見て、自身の心の容量・集中力・観察力・感受性などを精一杯傾けなければ、要点を掴むことができないということになります。

言葉が見つからないときは、相手の話が理解できていないとき

要点を表す言葉が見つからないとしたら、”相手が伝えたいことを理解できていない”と考えてみたいところです。

理解できていないとしたら、お願いをしてもう一度教えてもらうということも大事でしょうし、何よりも「聞く」には、自分自身の頭だけではなく、自分自身の心の容量、集中力、観察力、分析力、感受性、知力などすべてを傾ける必要がありそうです。

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