売上さえ増えれば経営が楽になる、とは言い切れません。
小山昇著「社長!儲けたいなら数字はココを見なくっちゃ!」(すばる舎)を参考にして。
売上が増えても経営が楽にならないこともある
売上が増えさえすれば楽になるか。
そういう場合もあります。特に創業当初においては、まずは売上をある程度のボリュームで立てられるかが重要です。
しかし、そうでない場合も多くあるものです。
例えば、売上を伸ばしたとしても、値引きが多ければ粗利益を圧迫し、経費を引いても利益はさほど増えていない・むしろ減っている、という状況も考えられます。
あるいは、売上を伸ばして利益を上げたとしても、その利益から税金を支払い、借入金元本の返済をする必要があるため、手元にほぼ残らないという状況も考えられます。
あるいは、販路を開拓した結果、売上の入金サイトが長いお客様が増えた場合、これまでどおりの仕入サイトでより多くの仕入が必要なのにもかかわらず、売上金はなかなか入って来ず、結果、資金がショートするという状況も考えられます。
そこかしこに、”売上が増えても経営が楽にならないこともある”という状況は考えられるものです。
危機を察知するには数字を把握する
上記のような状態に進みつつあるかどうかは、売上だけを追っていては、察知することができません。
なんとなく資金繰りの悪化をボディブローのように感じつつも、明確に原因を把握することができないことから先送りとなり、手を打つことが遅れてしまうという結果になってしまいがちです。
できるだけ早い段階で危機を察知しようと思うと、売上だけにとどまらず、様々な数字を把握することで、具体的なものとして捉えることができ、早い段階で手を打っていくこともできます。
数字という共通言語で話す
銀行に対してにせよ、スタッフに対してにせよ、外部とコミュニケーションを取るにあたっては、理念・概念・哲学だけでは通用しない部分が出てきます。
理念・概念・哲学は曖昧なものですし、価値観の違いで、”どれも正しい”というものも多く存在します。
比べて、数字は客観的な面を持っています。
可能な限り数字を共通言語として話すことで、銀行に対してにせよ、スタッフに対してにせよ、より具体的に分かり合うことができ、方向性も分かりやすく共有することができます。