”いくら売上を上げられそうか”と考えるのと、”いくら売上が必要か”と考えるのとでは、その後の結果も異なってきます。
小山昇著「社長!儲けたいなら数字はココを見なくっちゃ!」(すばる舎)を参考にして。
いくら売上が必要か、と考える
”いくら売上を上げられそうかな”、と考えていると、未来の輪郭がぼんやりとしていて、結果として、全体のことを漠然としか捉えられなくなる傾向があります。
一方で、”いくら売上が必要か”と考えることは、未来の輪郭をはっきりさせ、全体に対してリアルな感覚を持つことができます。
「収支分岐点」というリアル
”いくら売上を上げられそうか”というのは、とてもぼんやりとしています。
リアルな形で負荷を感じることができないので、どこに向かっていきたいのかもブレる可能性も高いと思われます。
”いくら売上が必要か”と考えることは、自身が達成したい未来の目標に向けて、そのために必要な方向性を明確に示すということでもあります。
よりリアルな形で負荷を感じることができるので、向かっていきたい場所に対して切実な踏ん張りを感じることができます。
”いくら売上が必要か”と考えるためには、事業が継続可能となるよう、少なくとも、毎年、少しずつでも資金が増加するような水準(=「収支分岐点」)である必要があります。
- 借入元本の返済が可能で、かつ、納税が可能となる「利益」を算出する。
- 計上的に支払っていかなくてはいけない「固定費」(人件費、諸経費、減価償却費、支払利息)を算出する。
- 「利益」「固定費」をカバーすることができる「粗利益」を算出する。
- 「粗利益」から粗利率で逆算し、「必要売上」を算出する。
「収支分岐点」は、事業者にとっては、切実なものです。
収支分岐点がマイナスであると、事業の継続をすることができないからです。
収支分岐点となる売上は、事業者にとってはリアルさを感じさせ、”自分ごと”として考えることができるものです。
経費の”予算感”を持てる
収支分岐点となる売上をたたき台とすると、より明確な目標売上を考えることができます。
同時に、効用として、「固定費」を算出する過程で、それぞれの経費の”予算感”を持つことができます。
例えば、広告宣伝費にどれくらい予算をかけることができるかといったような「ベースとなる数字」が頭のなかに入っていると、経費の”予算感”を持つことができます。もっと思い切るべきか、もっと努めるべきか、など。
また、経費の見直しをするきっかけにすることもできます。