粗利を増やしていくにあたっては、売上数量を伸ばすほか、粗利率を改善する方法もあります。
小山昇著「社長!儲けたいなら数字はココを見なくっちゃ!」(すばる舎)を参考にして。
粗利率は簡単には上がらない
会社の財務状況を改善するためにあたっては、様々な方法があります。
なかでも、利益を伸ばそうと思うと、粗利を増やす必要があります。粗利を増やすには、値引きを極力することなく売上数量を伸ばすほかに、”粗利率を上げる”という方法が考えられます。
”粗利率を上げる”とひとことで言うのは簡単ですが、実際には困難さが伴います。
値上げします、仕入れ値をこれまでより安くしか支払いません、などの言葉で済むものではなく、売価はお客様や競合との兼ね合いのなかで決まるものですし、仕入値も取引先との兼ね合いのなかで決まるものです。
商品構成を見直す
取り扱っている商品構成のすべてを一律に値上げするわけではないのだと考えてみると、工夫の余地が生まれてきます。
まずは、商品ごとの粗利率を正確に把握することから始めてみたいところです。
商品ごとの粗利率が把握できたら、粗利率の高い物をより多く売る・粗利率の低いものをより売らない施策を取るという選択肢が生まれます。
数量を伸ばさずとも、商品構成を見直して、どの商品をよりアピールし、どの商品をよりアピールしないようにするのかを考えてみるだけでも、粗利率は改善することになります。
個別交渉の仕方を考える
値上げをするとした場合、一律にいきなり値上げをすることを考えてしまうと、反動が大きいという予想が立ってしまいます。
これについては、”なぜ値上げをするのか”を明確にし、個別交渉に臨むことで、何らかの解決策が見いだせる可能性も広がります。
燃料代がネックなのであれば、燃料代がネックであることを明確にして個別交渉に臨むことで、相手によっては、①値上げは受け入れられないが発注量を増やす、②値上げは受け入れられないが燃料代が減るように1回あたりの発注量を多くする、など個別のお客様との話のなかで、個別の解決策を探っていくことを可能になります。