質問には類型がある。
話を聞くとき、それを意識することが重要です。
東山紘久著「プロカウンセラーの聞く技術」(創元社) を読んで実践して以来15年、学んだこと。
質問の類型
質問の類型(種類)は、大きく分けて3つあります。
1)正答のある質問(誰が答えても内容が変わらないもの)
2)正答のない質問(正答が複数あり、本人の納得するところが答えとなる質問)
3)1)2)がミックスとなった質問(一部は正答があり、一部には正答のない質問)
正答のない質問には、話し手の思いが詰まっている
正答のある質問は、知っているか知らないかの世界であるので、知っていれば答えればよく、知らなければ分からない(又は、きちんと調べてから回答する)、という対応になるでしょう。
とてもデジタルです。0か1か、なのですから。
もう一つとして、正答のない質問があります。
人生の目的とは何か、事業の目指すところはどこか、なんとなく経営がうまくいっている気がしない、などですね。
これには、単一の正答がありません。
ないゆえに、話し手も悩んでいるのです。
最終的に本人の納得したところこそが、その答えとなります。
聞く側は、その類型をよく知っておく必要があります。
難しさを共有すること
正答のない質問には、こちら側で無理に答えることはできませんし、無責任に答えてはいけないものだと思います。
大切なのは、その質問を抱えている話し手の苦しさを理解しようとすること。
難しさに苦しんでいるその気持ちを共有すること。
その人の話にもっとよく耳を傾けること。
僕は特にそのことをよく注意するようにしています。
すべての質問に対して正答を出さないとと思うと、正答のない質問にプレッシャーを感じて避けたり、あるいは無下にしたりしてしまいます。
これでは、相手との信頼関係が構築できないと感じます。
正答のない質問であることを理解し、無理に無責任に答えず、かといって逃げずに、相手が抱える思いを相手と共有すること。
ここが大事だと思っています。
コミュニケーションを取る際には特に気を付けているところです。
長崎港の入り江と帆船