相づちの語源は、「鋼を鍛えるときの相方の打ち出す槌」です。
方法やタイミングを間違えると、相手に打ち付けてしまいます。
東山紘久著「プロカウンセラーの聞く技術」(創元社) を読んで実践して以来15年、学んだことシリーズです。
相づちの語源・由来
「つち(槌、鎚)」とは、物を打ち、叩く建設用の工具です。
刀鍛冶が、刀を鍛えるため、鎚を打つ合間に、相方が鎚を打つことから、「相鎚」という言葉が生まれ、転じて、相手の問いに答える、相手の話に合わせる、といった意味になっています。
相づちの力
相手の話を終わりにするか・深めるかは、聞き手がとても重要な鍵を握っています。
相づちの打ち方によって、話し手の話は、深まる展開にもなり、深まらない展開にもなり、他の話に展開することもあり、ときには聞き手への不信につながることもあります。
会話の流れに逆らわず、肯定的に聞いていくと、通常、話は深まります。
逆に、話し手の話から自分の話や他の話に持っていったりすることで、話を深めないこともできます。
例えば、「うん」「ふーむ」「えぇ」「そうなんですね」「~なんですか」などと言えば、話は深まっていきます。
一方、「そういえば僕はこないだ~」「あぁ、そんなもんだよね」などと言えば、あまり話は深まりません。
また、教師や警察などが、真相を聞き出そうとして、無理に聞き出そうとしていくと(意図を見せると)、話し手の不信を買う結果にもなります。
ただ、話が深まるということは、話し手の心の奥を垣間見ることにもなりますし、聞き手の責任や覚悟が最も大事になってきます。
話し手の本音や心情に、責任をもって共感し、センシティブな内容であれば秘密を守る覚悟が必要です。
相手のことを思いやって、責任を持つ
このように、相づちには力があります。
それはときには、相手に安心を与えもし、傷つけもするものにもなりかねません。
言葉は大切です。
人を救いもし、傷つけもします。
それは相づちにもいえることなのです。
僕の場合、職務上の守秘義務など、責任を持って仕事をしなければ、と肝銘することも多いです。
※自宅のオリーブの木。先からさらに枝が…。植物の生命力に元気がもらえます。