利益を出せるかどうかは、言い換えれば、”費用(コスト)を上回る売上を上げることができるか”であるとも言えます。
水野剛志著「飲食店経営で成功するための「お金」のことがわかる本」(日本実業出版社)を参考として。
利益が出る=事業が継続できる
事業において、”利益が出る”とは、”事業が継続できる”と言い換えることができます。
反対に、利益が出ない事業は、原則とし、継続できないともいえます。
よって、事業を継続していくためには、”利益を出るにはどうすればよいか”と考えることになります。
どうすれば自身の事業で利益が出るかということを考えてみると、それは、”費用(コスト)を上回る売上を上げることができているか”ということに行き当たります。
大きなコストを押さえる
ただ、費用(コスト)といっても様々で、金額の大きいものもあれば、小さいものもあります。
これらを正確に集計するには時間も労力も必要となるため、経営判断としての当たりをつけるには、”ポイントを絞って押さえる”ことが必要になります。
ポイントを絞って押さえるとは、具体的には、”大きな費用(コスト)を把握しておく”ということになります。
例えば、飲食業であれば、以下は「3大コスト」といわれています。
- 原価
- 人件費
- 家賃
さらに、業種の構造上、「上記3要素あわせて売上の70%かどうか」が目安であるとされています。
70%を超えていれば、その他の経費のことも考えれば、利益はほぼ出ないか赤字であるということになります。
展開の仕方はいろいろ
飲食業において、利益が出るかどうかの目安は、”「原価+人件費+家賃」が売上の70%以内かどうか”によるとされています。
では、それぞれがどの程度の比率であればよいのか。例えば、原価は33%程度が適正値、などの目安があります。
ただ、実際のところ、それぞれの比率がどうであるかはそこまで大きくこだわる必要はなく、ただひたすらに”「原価+人件費+家賃」が売上の70%以内かどうかでありさえすればよい”、と考えても差し支えないといわれています。
つまり、一般的には、「原価30%+人件費30%+家賃10%」が目安といわれているものの、”「原価+人件費+家賃」が売上の70%以内かどうか”でありさえすればよい”ので、例えば、「原価50%+人件費15%+家賃5%」などでもOKであり、ここに、それぞれの会社の特色が出てくると思われます。
「原価50%+人件費15%+家賃5%」であれば、例えば、原価にふんだんに使ってリーズナブルな値段で商品提供する一方、回転率が高く、生産性が高く(人件費をかけなくとも回る仕組みづくり)郊外の家賃の安い店舗、という形態がイメージされますが、それならば、事業として成立するということになります。
あくまで利益を出すために守るべきルールは、”「原価+人件費+家賃」が売上の70%以内かどうか”であると考え、改めて3大コストの構成を見直してみると、自身がやりたいこととも照らし合わせたうえで、経営判断のヒントになることが隠されていそうです。