会話の途中で沈黙になると聞いていられなくて話したくなりますが、休符も音楽の一部であるように、”沈黙も会話”と捉えると、また違った姿勢で相手と会話をすることができそうです。
古宮昇著「はじめての傾聴術」(ナツメ社)を参考として。
目次
真っ白な壁は落ち着かないもの
会話の途中で沈黙になるのは怖いものです。
話を聞こうと思っても、そもそも会話の途中で沈黙になったりすると、話したくなってしまいます。
真っ白な壁に囲まれていることが落ち着かずに、家具を置いたりポスターを貼ったりする感じで。
しかし、だからといって、そこで聞き手がやたらめったらに話すと、せっかくの対話が意味をなさないということもありえます。
どんな思いで話せないのかを想像する
”沈黙が落ち着かないからとりあえず話す”というのは、聞き手が落ち着かないから話すということであって、あくまで聞き手都合の話です。
そこで一歩、「話し手は、どんな思いで話せないのか」を考えてみたいところです。
考えをまとめている途中かもしれません。
どう説明しようか言葉を探しているからかもしれません。
感情が湧き上がって言葉が出ないのかもしれません。
これまでの会話のなかで、何らかの後悔の気持ちがあるのかもしれません。
これまでの会話で話し切って、ほっとしているのかもしれません。
感情の流れを途切れさせない
話し手が上記のような思いなのであれば、話し手にとっては”意味ある沈黙”なのですから、途中で言葉で埋めてしまうと、話し手の頭と心の自然な流れを遮ってしまうかもしれません。
休符も音楽ですし、余白も絵の一部といえます。
話し手がなぜ沈黙しているのか、どんな思いで話さないでいるのか、自分都合で言葉で埋める前に、想像してみたいところです。