”利益”というと、なんだか悪いもののようにも思ってしまいがちですが、必要でもあります。
谷田部敦著「小さな会社の勝算」(かんき出版)を参考にして。
”利益”を上げることは悪いことではない
特に創業したての場合、思いがちなこととして”利益を上げることは悪いことではないか”ということです。
事業を始めると、給与で生活していた頃よりも、売上入金額も大きくなります。また一方で、経費支出額も大きくなります。
このことの意識の持ち方・バランス感覚の持ち方は重要です。なぜなら、人はどうしても都合のよい方に気持ちがいきがちで、売上入金額が大きい嬉しさばかりが先立ってしまい、経費支出額も大きくなることを忘れてしまいがちになってしまいます。
結果、売上と経費の差額としての「利益」が出るのですが、人は何となく”利益を得ていることは悪いことなのではないか”と思ってしまいがちです。
”利益を得ることは悪いこと”という意識を持ってしまうと、値下げに走ってしまいます。
事業において、適切な利益を得ることは悪いことではありません。むしろ事業を永続していくために必要不可欠なものといえます。
利益はなぜ必要か
”利益を得ることは悪いこと”なのではなく、”利益を得ることは必要なこと”と意識付けするには、なぜ利益が必要なのかを考えて整理しておく必要があります。
利益はなぜ必要なのか。
- 自社商品の良さをより多くの人に知ってもらい、社会をよりよくしていくための「広告費」予算として、利益が必要
- 自社商品の良さをより多くの人に知ってもらい、社会をよりよくしていくための「人件費」予算として、利益が必要
- 従業員の生活を守っていくために、利益が必要
利益目標から逆算する
まずは、利益目標を出したいところです。
利益から税金を支払い借入元本返済をしていくことになりますし、会社にも少しずつでも内部留保をしていけたほうが望ましく、そのような観点から考えて、まずは利益目標を出していきます。
そこから逆算し、その利益目標を出すための売上の構成要素(各商品)について考えていきます。
どのように利益を得るか
- 売れ筋商品が利益率が低い場合、別途、利益率の高い(=品質の高い)上位商品を考える
- サブスクリプション方式を考える
- 売り切り方式を考える
- 商品の単価を上げる
- 商品の販売個数を増やす
究極の選択肢
利益を上げるために、売上の数を増やすのか、売上の単価を上げるのか、の二択があります。
- 価格を安くして、できるだけ多くの人に売る
- 価格は高くとも、質の高い商品を、良さを分かってくれる人に限定して売る
どちらも一理ありますが、まずは小さなマーケットからでも確実にターゲットに満足してもらい、適切な利益を上げていく。そこから始めるのがよさそうです。