ひとつの目標として、”実質無借金経営”を考えたいところです。
作間信司「一倉定の社長学」(プレジデント社)を参考として。
目標としての”実質無借金経営”
ひとつの目標として、”実質無借金経営”を目指したいところです。
実質無借金経営とは、「借入金」がありつつもそれを超える「現預金」がある状態です。
借入金があってもいつでも返済できる手元資金があれば安全圏といえます。
一方で、事業を継続していくには仕入にも設備投資にも人材にも手を抜くべきではなく、借りてでも手元に潤沢な資金がある状態の方がよいという考え方もあり、安易に完全無借金経営にたどり着くことも難しいものです。
また、金融機関とのつながりを保っておくことによって、経営に有益な情報を仕入れるための有力なひとつのルートにもなります。
営業利益のなかから利息支払いにどれだけ回っているか
自社の状態を知るひとつの目安として、「営業利益のなかから、利息支払いにどれだけ回っているか」を見ることもひとつです。
営業利益のほぼすべてが金融機関への利息に回っているとしたら、自社にほとんど利益が残らないということを意味しています。
もしそのような状態なのであれば、事業の継続という観点からも、できるだけ早い段階から経営を見直す必要があります。
そこをモチベーションにして、実質無借金経営に持っていくには長い年月が必要ですが、事業の継続という観点からは目指していくべき場所といえると思います。
バランスシートは長期的な積み上げ
”手元に資金があることがよいこと”ではあるのですが、かといって、単純に”お金を使わなければ使わないほどよい”というわけでもないというところが、事業の複雑なところともいえます。
仕入・設備・人といった分野へしっかりと投資していかなければ利益は生まれませんし、それを志向しながらも、売上高・粗利・売掛金・在庫・借入額といった要素にもバランスよく目を配る必要があります。
バランスシートを理想の状態にするには、あるいは数十年単位で時間がかかるかもしれませんが、それでも事業を継続するという観点からは、向き合いがいのある目標であると思います。