孫子の兵法(56~57/九変編)

「孫氏の兵法」から学べること。

目次

56)九変編/将は、九変の術を知っておくべき

原文

故將通於九變之利者、知用兵矣。將不通於九變之利者、雖知地形、不能得地之利矣、治兵不知九變之術、雖知五利、不能得人之用矣

書き下し分

故に将、九変の利に通ずる者は、兵を用うるを知る。将、九変の利に通ぜざる者は、地形を知ると雖(いえど)も、地の利を得ること能わず。兵を治めて九変の術を知らざれば、五利を知ると雖(いえど)も、人の用を得ること能わず。

九変の利を、将軍がよく自分のものにしていれば、用兵のことも知っているといってよい。

将が自分のものにしていなければ、たとえ地形の利を得ていても地の利を得ることもできないのである。

兵を統率していても、九変の術を知っていなければ、五つの地形対処法を知っていても、兵の力を十分に発揮することができない。

57)九変編/必ず利害あわせて考える

原文

是故智者之慮、必雜於利害、雜於利、而務可信也、雜於害、而患可解也

書き下し分

是の故に、智者の慮は、必ず利害に雑(まじ)う。利に雑(まじ)りて、而ち務め信ぶ可きなり。害に雑(まじ)りて、而ち患い解く可きなり。

智者は、必ず、利と害とをあわせて考えるものである。

利のあることは、その害もあわせて考えることで、手掛ける事業がうまくいくようになるのである。

害のあることは、その利もあわせて考えることで、心配もなくなっていくのである。

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