孫子の兵法(8~10/作戦編)

「孫氏の兵法」から学べること。

目次

8)作戦編/戦いには多くの資金が必要となることを理解しておく

原文

孫子曰、凡用兵之法、馳車千駟、革車千乘、帶甲十萬、千里饋糧、則内外之費、賓客之用、膠漆之材、車甲之奉、日費千金、然後十萬之師舉矣

書き下し分

孫子曰く、凡そ用兵の法は、馳車(ちしゃ)、千駟(せんし)、革車千乗、帯甲十万、千里に糧を饋(おく)れば、則ち内外の費、賓客の用、膠漆(こうしつ)の材、車甲の奉、日に千金を費して、然る後のちに十万の師挙がる。

戦いにおいては、様々なヒト・モノ・カネの投入が必要とされるものであることを理解しておきたいところである。

9)作戦編/戦いは短期で決める

原文

其用戰也、勝久則鈍兵挫鋭。攻城、則力屈、久暴師、則國用不足。夫鈍兵挫鋭、屈力殫貨、則諸侯乘其弊而起、雖有智者、不能善其後矣

書き下し分

其の戦を用もちうるや、勝つも久しければ、則ち兵を鈍らせ鋭を挫き、城を攻むれば、則ち力屈き、久しく師を暴さば、則ち国用足らず。
夫(そ)れ兵を鈍らせ鋭を挫き、力を屈くし貨を殫(つ)くさば、則ち諸侯其の弊に乗じて起こる。
智者有りと雖(いえど)も、其の後を善くする能わず。

戦いは長引かせてはならない。長期化することで、軍が疲弊し、兵の士気も下がる。城攻めともなると戦力も尽きてしまう。また、長期化することで、国の経済も困窮してしまう。
軍が疲弊し、兵の士気が下がり、区の財政が悪化すると、他国からその弱みに付け込まれて攻め込まれることも考えられる。
そうなってしまうと、いくら智者がいても、その後を乗り切ることが難しくなる。

10)作戦編/長期戦に利益はない

原文

故兵聞拙速、未睹巧之久也。夫兵久而國利者、未之有也。故不盡知用兵之害者、則不能盡知用兵之利也、

書き下し分

故に兵は拙速なるを聞くも、未だ巧久なるを睹(み)ざるなり。
夫れ兵久しくして国に利ある者は、未だ之有らざるなり。
故に尽(ことごと)く用兵の害を知らざる者は、則ち尽く用兵の利をも知る能わざるなり。

戦いにおいては、うまくいかずに切り上げることで終わるという選択肢はよいが、長引かせてうまく終わらせるという選択肢はよくない。

戦いが長引いて国に利益があったことなどかつてあった試しはない。

このような戦いの害をすべて理解していない者は、戦いの方法やその利益を完全に知ることが難しい。

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