孫子の兵法(84~86/九地編)

「孫氏の兵法」から学べること。

目次

84)九地編/地形「散地」「軽地」「争地」

原文

孫子曰、用兵之法、有散地、有輕地、有爭地、有交地、有衢地、有重地、有圮地、有圍地、有死地、諸侯自戰其地、爲散地、入人之地而不深者、爲輕地、我得則利、彼得亦利者、爲爭地

書き下し分

孫子曰く、用兵の法に、散地有り、軽地有り、争地有り、交地有り、衢地(くち)有り、重地(ちょうち)有り、圮地(ひち)有り、囲地有り、死地有り。
諸侯自ら其の地に戦うを散地(さんち)と為す。
人の地に入りて深からざる者ものを軽地と為す。
我得れば則ち利なり、彼得るも亦(ま)た利なるを争地と為す。

戦で兵を動かす法則について。
戦場となる土地を、「散地」「軽地」「争地」「交地」「衢地(くち)」「重地」「圮地」「囲地」「死地」の9つに分けて考える。

自国領内での戦う場所を「散地」という。

敵国領内に入り、まだ深く入っていない場所を「軽地」という。

味方が占領すれば有利となり、敵が占領すれば不利となる場所を「争地」という。

85)九地編/地形「交地」「衢地」「重地」

原文

我可以往、彼可以來者、爲交地、諸侯之地三屬、先至而得天下之衆者、爲衢地、入人之地深、背城邑多者、爲重地

書き下し分

我以て往(ゆ)くべく、彼以て来たるべき者を、交地と為す。
諸侯の地三属し、先に至れば天下の衆を得る者を、衢地(くち)と為す。
人の地に入ること深く、城邑(じょうゆう)を背にすること多き者を、重地と為す。

味方も行くことができ、敵も来ることができる場所を、「交地」という。

諸侯の領地と接しており、先にそこを占領したものが天下を掌握できるといわれる場所を、「衢地」という。

敵の国に深く侵入し、背後に敵の城が多くある状態の場所を、「重地」という。

86)九地編/地形「圮地」「囲地」「死地」

原文

山林、險阻、沮澤、凡難行之道者、爲圮地、所由入者隘、所從歸者迂、彼寡可以擊吾之衆者、爲圍地、疾戰則存、不疾戰則亡者、爲死地

書き下し分

山林・険阻・沮沢(そたく)、凡そ行き難きの道なる者を、圮地(ひち)と為す。
由りて入る所の者隘く、従って帰る所の者迂にして、彼寡にして以て吾れの衆を撃つべき者を囲地いちと為す。
疾戦すれば則ち存し、疾戦せざれば則ち亡ぶ者を死地と為す。

山林・険しい地形・湿地帯など、行動しづらい場所を「圮地」という。

入っていく道が狭く、引き返す道も曲がりくねっており、少ない敵でも味方の大軍を攻撃できてしまうような場所を、「囲地」という。

迅速かつ必死に戦えば生きて帰ることができるが、攻撃に躊躇したり必死に戦わなければ全滅してしまうような場所を、「死地」という。

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