孫子の兵法(13~14/作戦編)

「孫氏の兵法」から学べること。

目次

13)作戦編/相手の力を利用することでますます強くなる

原文

故殺敵者怒也、取敵之利者貨也、故車戰得車十乘已上、賞其先得者、而更其旌旗、車雜而乘之、卒善而養之、是謂勝敵而益強

書き下し分

故に敵を殺す者は怒(ど)なり。敵の利を取る者は貨(か)なり。
故に車戦に車十乗已上(いじょう)を得れば、其の先ず得たる者を賞し、而(しこう)して其の旌旗を更(あらた)め、車は雑(まじ)えて之に乗らしめ、卒は善くして之を養わしむ。
是を敵に勝ちて強を益すと謂う。

相手を倒すのは戦意あってのことであるが、相手の力を利用するのは利益を考えてのことである。

そのため戦車戦で相手の戦車を10以上鹵獲したら、まずは鹵獲した者を褒め、その旗を味方のものに取り替えて、味方のものと同じように使うこととし、投降してきた兵士に対しても手厚くし、養うようにする。

これこそ敵に勝ってますます強くなる戦い方である。

14)作戦編/戦いのあり方を知ることが重要

原文

故兵貴勝、不貴久、故知兵之將、生民之司命、國家安危之主也。

書き下し分

故に兵は勝つを貴(たっと)び、久しきを貴ばず。
故に兵を知るの将は、生民の司命(しめい)、国家安危(あんき)の主なり。

このように、戦いは勝つことが重要ではあるが、長引くことは喜ばしいことではない。

なので、このように戦いのあり方をよく知る将軍は、民の生死を握っており、国家の安危を握っている最も重要な人物ということになる。

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