「お茶すること」は「お話すること」とほぼ同義で使われます。
それは、喉の乾きや空腹を満たしながら話をすると、人は自然とリラックスして話をしたくなりやすいからだと思います。
また、気づまりな感じがしないことも作用しています。
いわば、お茶は、人同士が話をするときの重要な小道具だといえます。
東山紘久著「プロカウンセラーの聞く技術」(創元社) を読んで実践して以来15年、学んだこと。
戦国時代の茶室の存在意義
「お茶する」という言葉は、ほぼ「お話する」と同義で使われます。
それほど、人にとって喉の乾きや空腹を満たしながら話をすることは、リラックスできて心を開いて話がしやすいということですね。
お茶の追究でいえば、千利休によって大成された茶の湯(茶道)が思い当たりますが、これは戦国時代、大名同士の会談・外交交渉として話をするために使われていたことは有名な話で、茶会といえば、当時の重要な話をしたり、親交を深めたりする場であったことは有名な話です。
そのため、茶室は、部屋のサイズ、入り口の狭さ、光の差し込み方、お花、掛け軸、炉、庭園など、リラックスして話をするための重要な要素をきっちりと備えています。
そのような場と茶を整えることが、相手へのもてなしの心を表すもの、といえるのだ、と東山紘久著「プロカウンセラーの聞く技術」(創元社)では紹介されていました。
ほどよく作法があった方がリラックスして話ができる
茶の湯といえば作法があり、堅苦しいイメージがありますが、逆に、作法のない不作法な状態では、人同士はリラックスして話をすることができません。
実際、動作には一定の決まりがあった方が、心の落ち着きや集中に繋がるといわれています。
僕も、ルーティンが決まっています。
朝、必ずコーヒーを飲むとか、ストレッチをするとか、それらは、そのような動作のルーティンがあった方が、心が落ち着くからなのだろうと思います。
作法(=ルーティン)は心を整える
一見、不自由なように見えても、作法(=ルーティン)があった方が、人は心が落ち着き、心の自由さに繋がるのだろうといえます。
東山紘久著「プロカウンセラーの聞く技術」(創元社)でも、「枠と作法があるほうが人間は自由になれる」と記載されていました。
確かに、人の心持ちとして、分かる気がします。
結婚式をしない夫婦は離婚しやすいといわれますし、結婚式に限らずとも、入学式、卒業式、葬式、正月、誕生日など、何らかのルーティン・作法・儀式をきちんと受け止めた方が、心も落ち着いて、仕事などの生活もできる気がします。