他人のことを「自分ごととして考える」ことは、何より重要な思考だと思っています。
ゆえに、”どうあるべきか”はより具体的に整理しておきたいと考えています。
和仁達也著「独立系コンサルタントの成功戦略」(かんき出版)を読んで学んだこと、キャッシュフローコーチとして感じたこと。
スキルに先立つ重要なマインド
「○○思考」、「○○力」など、専門的なスキルも重要です。
しかしそれらはビジネス上のツールなのであって、”道具”ともいえます。
より素晴らしい”道具”、より多様な”道具”を使えることは重要なことではあるのですが、「顧問契約」という契約の性質を考えてみると、いかに長期的に相手に寄り添えるか、いかに相手のことを深く知り、かつ、その履歴をきちんと蓄積していけるか、といった要素の方が大きい気がしています。
”道具”であることを突き詰めたとしても、短期的には必要とされますが、目の前の課題がひとたび終わると必要とされなくなってしまう場合が多くなるでしょう。
「顧問契約」のように、相手に長期的に携わっていくにあたっては、専門的スキルよりも、
いかに”相手のことを自分ごととして”考えられるか、の方が重要だと感じます。
”自分ごととして考える”は、”自分ごと”とは異なる
しかし一方で、”自分ごととして考える”ということは、”自分ごと”とは明確に異なります。
その違いをよく意識して整理しておく必要があります。
「自分」が選ぶか、「相手」が選ぶか
経営判断は様々な要素が絡み合い、確たる正解がないことも多いものです。
何を感じ、何に気づき、何を選び取るのかは、最終的には「自分」が選ぶのではなく「相手」が選ぶという違いは意識しておきたいところです。
自分ごととして考えれば考えるほど、一生懸命さで見えなくなってしまいがちになります。
「自分」が語るか、「相手」が語るか
「自分」が考えて、その考えたことを知ってもらいたい・語りたい、と思いがちですが、どれほど自分ごととして考えたとしても、最終的には当事者である「相手」が腹落ちしたことが、相手を突き動かします。
自分の考えを知ってもらう・語る、という視点よりも、「相手」に語ってもらうなかで、相手に見えていない盲点に気づいてもらったり、相手の気持ちの表層の奥にある真の意味を一緒に探って自発性を高めていくという視点の方が重要で、この点も明確に違います。
立ち止まるか、立ち止まらないか
自分のことだけを考えるのであれば、立ち止まる地点を自分で決めることができます。
しかし、相手のことを”自分ごととして考える”ということは、相手の成長にあわせて自分も成長・アップデートしていく姿勢が必要です。
求められる姿勢・持ちたい姿勢
”自分ごととして考える”ということは、”自分ごと”とは異なります。
相手のことを自分ごととして考えるとなると、ついつい錯覚しがちになるのですが、あくまで「相手起点」で考える必要があります。
そのような意味において、
- 相手が想定していない盲点に気づきを得てもらうきっかけを作る
- 相手の思考・行動の”真の意味”を、対話のなかで明確にしていくことで相手の内発的動機を高めてもらう
といった視点が重要だと感じています。