「会話」には2つの機能があると考えるとしっくりくる部分があります。
古宮昇著「はじめての傾聴術」(ナツメ社)を参考として。
目次
「会話」の2つの機能
古宮昇著「はじめての傾聴術」(ナツメ社)において、「会話」には以下の2つの機能があると整理されていました。
- 情報を伝達する機能
- 共有世界をつくる機能
「情報を伝達する機能」とは、シンプルに事実・感情・意向などを言葉で伝えるというものです。
この場合、聞き手も、その言葉の意味をそのまま理解するということになります。
一方、「共有世界をつくる機能」とは、相手が伝えたい“感情”を読み取り、受け止め、共感し合あうことで信頼関係を築き、お互いの全体的や世界観を共有するというものです。
この場合、聞き手は、受動的にただ言葉を理解するというだけではなく、能動的にその言葉のなかから相手の感情を感じ取り、共感することが必要とされます。
感情の共有
情報を共有するだけではなく、感情を共有することが必要なときがあります。
感情を共有することで、気持ちを通わせ、理解を深め、共感し合うことができます。
この積み重ねで同じ世界観を共有することによって、信頼関係ができ、“分かってもらっている”という安心感を得ることもできます。
例えば、“がんばります”という同じ言葉(情報)であっても、その人が笑顔で言っているのか、憂鬱な表情で言っているのかによって、その意味合いは大きく異なるものになります。
感情を受け止める
“事実を受け止めること”から一歩進んで、”感情を受け止める”ことも会話の機能の一翼なのだと理解すると、会話そのものが変わってくるように思います。
相手の感情を受け止め、かつ、きちんと受け止めたのだということを伝えるだけで、相手は、気持ちを落ち着けることができ、また少しずつ歩き出してゆくことができます。