経営の撤退と攻めは表裏一体

経営における「撤退の決断」と「攻めの決断」、相反しているようで表裏一体になっていたりします。

作間信司「一倉定の社長学」(プレジデント社)を参考として。

目次

攻めは易く、退くは難い

経営において「攻め」を考えることは、前に進むことでもあり、大変ではあるものの、楽しさも感じるものです。

反面、「撤退」を考えることは難しいものです。

例えば、赤字商品・赤字店舗・赤字取引先ができてしまった場合に、それに対する撤退の決断は、なかなかしづらいものです。

始めた・続けてきたことの思い入れもあり、人間、なかなかそういったことの否定というものはしづらいように出来ているのです。

売上より利益、ではあるけれど、、

経営者の感覚として、頭では「売上より利益」と分かっていても、いざ”利益のために売上を切らなければならない場面”となると、なかなか向き合うことができません。

ひとつの心理的原因として、外部からは、”利益”は見えづらく、”売上”は見えやすい、ということが挙げられます。

外部からの目を気にしながら考える場合、”売上が下がった”ということがマイナス評価に繋がるのではないか、ということを気にしてしまうのです。

経営資源には限りがある

この「撤退の決断」と「攻めの決断」、一見すると相反するもののように思えますが、表裏一体なのです。

赤字部分から撤退することで、経営資源に余裕ができるようになります。

そして、次の攻めの決断のときに、十分な経営資源を割けるようになるのです。

中小企業は、大企業に対して、経営資源には限りがあります。であるならばなおのこと、「攻めの決断」と同様に「撤退の決断」にも迅速さが求められます。

「撤退の決断」は、「攻めの決断」に繋がっていますし、向き合うのが難しいからこそなおのこと、自身に対するシビアさが求められるのだろうと思います。

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