他との「違い」・他とは異なる「役割」を言語化し、表現することによって、相手が選ぶ”基準”のなかにその価値を組み込んでもらう余地が生まれてきます。
和仁達也「コンサルタントの教科書」(かんき出版)を参考にしつつ、キャッシュフローコーチとして考えたこと。
物・サービスの判断基準にある”相場感”
物やサービスを購入するとき、どのような物・サービスにも”相場感”というものがあります。
どのような物・サービスであれば、いくらくらいのものであるのか。
それは、世の中に出てきて久しいものであればあるほど、それぞれの物・サービスに関するカテゴリーができあがってきて、”相場感”が認知されるようになります。
一方、世の中に新しい価値をもたらすものであればあるほど、そのカテゴリー分けができておらず、”相場感”が形成されていません。
その新しい価値が、高い付加価値だと理解されれば金額が高くとも売れるものとなりますし、逆もあります。
どちらがというよりも、それぞれの良し悪しがあります。
いずれにしても、人がお金を出して購入しようと思うときには、”相場感”や”自分にとっての必要性・価値の高低”をブレンドさせながら勘案し、決定していきます。
「違い」や「役割」を言語化しておく
事業を行うときには、ど真ん中であるにしろどれかに類似しているにしろ、自身がどれかのカテゴリーに拠って立つ場合がほとんどです。
特に、お客様側からすると、いずれかのカテゴリーのものなのかを見極め、その”相場感”を参考にしながら金額的な価値を考えます。
つまり、自社の商品・サービスが、どれほど世の中に付加価値を生み出しているように考えていても、それが相手に的確に伝わらなければ、やはり類似するカテゴリーの”相場感”のなかで価格が決まっていくということになります。
自社の商品・サービスが、同一カテゴリー・類似カテゴリーのなかにある商品・サービスとは異なり、より高い価値をお客様にもたらすと確信するような場合には、他との「違い」は何なのか・従来とは異なる「立ち位置・役割」とは何なのかを言語化し、なおかつ、それを相手が自然な流れとして理解し、受け入れてくれる必要性があります。
何と比べられたいのか
お客様が自社の商品・サービスを見たときに、一般的に何と比べるだろうかということを、思いを巡らせて考えてみることから始まります。
どのような判断基準を持っているかを相手任せにしてしまうと、自分が意図せぬ”相場感”で比べられるということも考えられます。
相手が想像するであろう判断基準を理解したなら、
「それとの”違い”は何なのか?」
「相手が持ち合わせている判断基準も勘案しつつ、どのような価値を相手に与えるものであるのか?」
「従来とは違い、どのような役割を果たすものであるのか?」
といったことを言語化したうえで、相手が抱えている課題の解決にどのように資するのか、という順番で表現していく必要がありそうです。