「着眼点を投げかけて、一緒に考える」ことを考える場合、いかに自身に着眼点のカード(引出し)を持てるかどうか、ということが重要になってきます。
和仁達也「コンサルタントの教科書」(かんき出版)を参考にしつつ、キャッシュフローコーチとして考えたこと。
教えるのではなく、「着眼点を投げかけて、一緒に考える」
”教える”となると、自身ではそのような気がなくとも、相手側からすると”上から目線”と捉えられてしまうこともあります。
まして、唯一無二の正解のある分野であればよいですが、 唯一無二の正解がないことが多い事業・経営に関しては特に、主体的に考えて進めている相手に対し、”正解を教える”ということは、コンプライアンスに関すること以外では、とても限定的です。
また、悩みや課題は、すでに抱えている側のなかに選択肢や答えらしきものが埋まっていることが多いものです。
そのため、”教える”というスタンスではなく、「着眼点を投げかけて、一緒に考える」というスタンスの方が、適していることの方が多いといえます。
着眼点のカードをどこまで持てるか
上記のように考えると、「相手が考えやすくするために、どれだけ着眼点を持てるか」ということが努力目標になり得ると考えています。
和仁達也「コンサルタントの教科書」(かんき出版)を参考に、和仁先生がベースにされている着眼点をまとめてみると、以下のような感じです。
- 「お金」の着眼点
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- 投資対効果(コストパフォーマンス)
- 投資回収期間(何年で元が取れると見るべきか)
- 利益率(粗利率はどうなるか、利益率はどうなるか)
- 成長率(売上はどうなるか)
- 収入と支出のバランス(収支バランスは取れているか)
- 「仕事のやり方」の着眼点
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- 生産性(各人により粗利を上げる活動にフォーカスしてもらうには)
- 時間軸(短期間で達成しなければいけないものなのかどうか)
- マクロとミクロ(遠くから抽象的に見る、近くから具体的に見る)
- 価値の見える化(提供できる価値を見える化する、他人から感謝されたことから掘り起こす)
- 価値の最大化(価値を最大限にするためには)
- 「人間関係」の着眼点
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- 安心・安全・ポジティブな場にできているかどうか
- 立場の違いがもたらすギャップ
- 前置きトークができているか・必要か
- 意図が正しく伝わっているかどうか
カードを増やすための”言語化”
上記のようなベースを参考にして、さらに、自分なりのストックを増やしていきたいものです。
自分なりにカードを増やしていくためには、実践のなかで、「これはとても効果があった」と感じた問いかけを記録して言語化していくことで、整理→ステップ化していくことができます。
これは日々の過ごし方・姿勢によるところが大きく、”役に立ちたい”と思いながら接する過程で、蓄積していくしかないものと考えています。