「納税証明書」には4種類ある

”納税証明書”には4種類あるため、どのような申請でどの納税証明書が必要かをあらかじめ確認しておいたほうがよさそうです。

岩田まり子著「税理士を代表して金融機関の友人100人に「銀行融資」について教わってきました」(リンケージパブリッシング)を参考にして。

目次

納税証明書の4種類(国税)

まずは国税(法人税、所得税、消費税等)の納税証明書には4種類あります。

種類証明内容
納税証明書(その1)納付すべき税額、納付した税額及び未納税額等の証明
納税証明書(その2)所得金額の証明
納税証明書(その3)未納の税額がないことの証明
納税証明書(その4)証明を受けようとする期間に滞納処分を受けたことがないことの証明

融資申請においては、「納税証明書(その3)未納の税額がないことの証明」が求められ、場合によっては、追加で「納税証明書(その1)納付すべき税額、納付した税額及び未納税額等の証明」が求められます。

請求先は、「納税地を所轄する税務署」です。

請求方法としては、税務署窓口での請求のほか、オンラインでの請求もあります。

納税証明書の種類(例:長崎県)

県税につき、納税証明書は5種類あります。

自治体により異なる部分もあるかもしれませんが、例として、長崎県の場合は以下のようになっています。

種類証明内容備考
未納がない証明(完納証明)県税に滞納がないことを証明する・融資等
・入札資格審査
税額証明課税額、納付済額、未納額を証明する・建設業許可等
・鉱業法
過去3年間において県税の滞納処分を受けたことがないことの証明・公益法人・認定NPO法人の認定申請
過去2年間において県税の滞納処分を受けたことがないこと
+県税の未納又は滞納がないことの証明
・酒類販売業免許申請等
自動車税納税証明書・継続検査
・構造等変更検査

請求先は、「長崎県内の各振興局税務部税務課」です。

請求方法としては、振興局窓口での請求のほか、電子申請もあります。

納税証明書の種類(例:長崎市)

市税につき、納税証明書は4種類あります。

自治体により異なる部分もあるかもしれませんが、例として、長崎市の場合は以下のようになっています。

種類証明内容備考
納税証明書・市県民税
・固定資産税都市計画税(土地家屋)
・固定資産税(償却資産)
・国民健康保険税
・法人市民税
・軽自動車税(種別割)
・金融機関等
・利子補給
・保証人
完納証明書・金融機関等
・下水道関係
・公営住宅関係
・競争入札参加資格審査申請用
納付確認書・確定申告、年末調整等
その他の証明書・勤務先、
・認定申請
・免許申請等

請求先は、「長崎市内の地域センターなど」です。

請求方法としては、窓口での請求のほか、郵送申請もあります。

融資申請においては、未納がないことが大前提

金融機関への融資申請においては、税金の未納がないことが大前提となります。

税金は弁済が何よりも優先されるもので、金融機関としては、融資した資金が税金弁済に回ってしまうというようなことは防ぎたいと考えています。

金融機関においては、納税証明書のほか、決算書においても以下のような視点で税金・社会保険料の滞納がないか確認すると考えられています。

  • 預り金残高の金額が異様に多くないか
  • 別表5(2)に加算税・延滞税の記載があるか
  • 法定福利費の金額が、役員報酬・給与手当・賞与の総額の約15%を大きく下回っていないか
  • 勘定科目内訳書に、過去の源泉所得税の金額の記載があるか

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