Claude Codeを使いはじめると、「毎回同じ説明をしている」と感じる場面が出てきます。業種、立場、お客様のこと、文章の好み。これらをあらかじめ「Profile.md」として1つのファイルにまとめておくと、Claude Codeはかなり使いやすくなると考えられます。
ひつじ・染谷昌利「あらゆる仕事が爆速化する Claude Code徹底活用術」(日本実業出版社)を読んで。
Profile.mdがあると、何が使いやすくなるか
使いやすくなる点は、7つに整理できます。
前半の3つは手間が減る話、続く2つは安心して任せられる話、最後の2つは使い続けるほど良くなる話です。
依頼が短くて済む
Claude Codeは、新しいチャットを開くたびに、こちらのことを何も知らない状態から始まります。
昨日どれだけ丁寧に事業の説明をしても、今日のチャットにはそのまま引き継がれないことが多いもの。
Profile.mdがあれば、「このファイルを読んでから進めて」と一言添えるだけで前提がそろいます。
毎朝、新しく入ったスタッフに会社の説明からやり直す。そんな手間がなくなるイメージです。
答えが「一般論」から「自分向け」に変わる
前提を知らないAIは、誰にでも当てはまる無難な答えを返します。
例えば、「年末のご挨拶文を書いて」と頼んだとき。
「従業員5名の工務店で、お客様は個人の施主が中心。地域密着で、親しみのある文面を好む」と分かっていれば、言葉の選び方も、触れる話題も変わってきます。
同じ依頼でも返ってくるものに差が出るのは、AIの賢さの差というより、前提の差によるところが大きいと考えられます。
直しの往復が減る
「もう少し短く」「カタカナ語を減らして」「結論を先に」。
こうした直しの中身や、文章・報告の好みをProfile.mdに書いておけば、最初から好みに近い形で出てくるようになります。
一度伝えれば済むことを、何度も伝えなくてよくなる。
地味ですが、毎日使うほど差が大きくなる部分です。
任せる範囲の線引きができる
AIに仕事を頼むときの不安は、「どこまで勝手に進めてしまうのか」が見えないことから来ている場合が多いように思います。
Profile.mdには、自分の情報だけでなく「任せること」と「自分で決めること」の線引きも書いておけます。
下書きまでは任せる。
お客様への送信は自分で行う。
金額や契約条件は必ず確認を求める。
線が言葉になっていれば、AIの側も迷わず、頼む側も安心して結果を受け取ることができます。
分からないことを想像で埋められにくくなる
前提が足りないとき、AIは分からない部分をそれらしく補ってしまうことがよくあります。
もっともらしい文章ほど、思い込みが混ざっていても気づきにくいものです。
書いてある情報が増えれば、想像で補う余地はそのぶん小さくなります。
さらに、「分からないことは推測せず、質問してほしい」と一言書いておくと、足りない点を聞き返してくれるようになり、食い違いを早めに防げると考えられます。
使うほどに育っていく
チャットでの会話は、終われば流れていきます。
一方、Profile.mdはファイルとして手元に残ります。
使っていて「これも伝えておけばよかった」と気づいたら、その場で1行書き足すだけ。
書き足すたびにAIの理解が深まり、道具のほうが少しずつ自分に合っていく。
使い込むほど手になじむという感覚に近いかもしれません。
自分の考えの整理にもなる
Profile.mdを作る過程では、Claude Codeからいくつも質問されます。
「いちばん力を入れたい仕事は何か」
「どんなお客様と出会いたいか」
「何を大事にして仕事をしているか」。
普段は頭の中にあるだけで、言葉にする機会の少ない問いです。
AIのための準備のはずが、答えるうちに自分の事業の優先順位がはっきりしてくる。
経営者にとっては、ここがいちばん意外な収穫かもしれません。

Profile.mdの作り方
Profile.mdは、白紙から自分で書く必要はなく、Claude Codeに質問してもらって答えていくだけで、10分ほどでできあがります。
手順1:聞き取りを頼む
Claude Codeの入力欄に、普段の言葉で頼みます。
例えば、「私のプロフィールを聞き取って、Profile.mdというファイルにまとめてください」。
かしこまった書き方は必要ありません。
手順2:選択肢から選んで答える
送ると、Claude Codeから選択肢つきの質問が届きます。どんな立場で仕事をしているか、どの分野が中心か、このファイルを何に使いたいか。当てはまるものを選んでいくだけで大丈夫です。
ぴったり来る選択肢がなければ、「その他」に自分の言葉で書き込めます。
選択肢に無理に合わせるより、そのほうが実態に近いProfile.mdになります。
手順3:できたファイルを開いて確かめる
答え終わると、Claude Codeが内容を整理してファイルを作ります。
途中で「許可しますか?」と聞かれることがありますが、これは勝手にファイルを触らないための確認で、許可を選べばそのまま進みます。
できあがったら、作業用のフォルダを開いてProfile.mdを確かめます。
※「.md」は見出しや箇条書きを書きやすくしたテキストファイルの一種で、メモ帳でも開けます。
手順4:Claude Codeが読むようにしておく
Claude Codeが作業を始めるときに自動で読むのは、「CLAUDE.md」という名前の設定ファイルです。
Profile.mdは、置いてあるだけでは読まれない場合があります。
CLAUDE.mdの中に「Profile.mdを参照すること」と一行書いておくか、依頼のたびに「Profile.mdを読んでから進めて」と添えると、確実に前提として使ってもらえます。
Profile.mdの中身の例
できあがるファイルの中身は、例えば、次のようなイメージです。
| 仕事・立場 | 工務店を経営。従業員5名 |
|---|---|
| お客様 | 個人の施主が中心。30〜40代の子育て世帯が多い |
| 力を入れたいこと | リフォームの相談を増やしたい |
| 文章の好み | 結論を先に。専門用語には説明を添える |
| 任せること | 下書き・資料の整理・調べもの |
| 自分で決めること | お客様への送信・金額・契約条件 |
この程度の分量でも、何も書いていない状態とは返ってくる答えが大きく変わってきます。

作るときの注意点
書きすぎない
長すぎるProfile.mdは、大事な点が埋もれてしまいます。
経歴を細かく並べるより、業種・お客様・文章の好み・任せる範囲など、仕事の進め方に関わることに絞るのがよさそうです。
書かない情報を決めておく
マイナンバーや口座番号、パスワードのような情報は、前提を伝えるうえで必要ありません。
書かないと最初に決めておくと安心です。
古くなったら直す
事業の方向やお客様の層が変わったのに、Profile.mdが昔のままだと、AIは古い前提に合わせた答えを返し続けることになります。
書き足すのと同じように、変わったことも書き換えておく。
ファイルなので、いつでも手を入れられるのが利点です。

