漏れを防ぐために、チェックリストは有効なものですが、どのような観点を持って作るべきかどうか。
アトゥール・ガワンデ著「アナタはぜチェックリストを使わないのか?」(晋遊舎)を参考にして。
目次
知識は確実に正しく活用される必要がある
自分たちが持っている知識は、確実に正しく活用できなければ、適切な結果を生むことができません。
世の中でまだ知られていないことがあり、それがもとでミスをするのであれば、誰からも責められようがありません。
一方で、すでに知っていることを、確実に正しく活用できなかったことによるミスは、責められてしまいます。
例えば、料理においていえば、何らかの工程を誤ったりすっ飛ばしてしまうだけで、美味しいものは出来上がりません。
また、建物の建設においても、何らかの工程を誤ったりすっ飛ばしてしまうだけで、安全に関わる問題に直結することも少なくありません。
チェックリストはなぜ必要か
上記の問題を解決するうえで、「チェックリスト」には一定の効果があります。
「チェックリスト」には、以下のリスクを防ぐ意味でも有効と考えられます。
- 人間の記憶力と注意力への危うさ
- 手順を省きたくなる誘惑への抑止
- マニュアル通りで動くべき場合と、自分の判断で動くべき場合の”見極め”の不徹底
チェックリストを作る視点
アトゥール・ガワンデ著「アナタはぜチェックリストを使わないのか?」(晋遊舎)を参考に、チェックリストを作るためのチェックリストを自分なりに整理してみました。
STEP
項目の洗い出し
- チェックリストを作る目的は明確に定義しているか
- 見逃される可能性が高く、必須項目か
- 見逃しを防ぐ手立ては十分に洗い出されているか
- 具体的な行動を促す項目であるか
- 声に出して確認することができるか
- 検証することで改善に繋げることができるものであるかどうか
- チーム同士のコミュニケーションを促す項目にも着目したか
- チーム全員で検証していける体制が取れるか
STEP
フォーム
- 仕事の区切りごとに、一時停止線が設置されているか(=チェックするタイミングづくり)
- 1つの区切り内の項目は、9項目以内で収まっているか
- 目的に沿ったタイトルがつけられているか
- 平易で分かりやすく書かれているか
- シンプルかつ論理的か
- 1ページに収まるか
- 色の使用は最低限か
- 文字の色は濃く、背景の色は薄いか
- 作成日・更新日が記されているか
STEP
検証
- 実際に使用する人でテストしたか
- 何度もテストし、改良したか
- 仕事の流れを妨げないか
- チェックリストを通すこと自体に時間がかかり過ぎないか
- 手遅れになる前に問題を探知できるか
- 具体的な改良スケジュールを立てたか