借りた後に、どのような返済パターンがあるか知っておきたいところです。
川北英貴著「銀行からの融資完全マニュアル」(すばる舎)を参考として。
返済方法のパターンを知っておく
銀行から融資を受けた場合、どのような返済方法があるかも知っておきたいところです。
返済方法のパターンを知っておくことによって、自身の事業のなかで最もふさわしいと考えられる返済パターンのイメージを持つことができます。
一括返済と分割返済
まずは大まかに、借入金の返済には、一括返済と分割返済とがあります。
一括返済
一括返済とは、文字通り、借りた金額を期日に一括で返済する方法です。
一括返済が最も当てはまるシーンとしては、将来にまとまった売上代金の入金が確実に見込まれる場合で、その間の仕入・経費などに対して資金の手当てが必要となる場合などです。
分割返済
分割返済とは、文字通り、借りた金額を一定の間隔で少しずつ分割で返済する方法です。
1ヶ月ごと、3ヶ月ごと、6ヶ月ごと、1年ごとなどが考えられます。
毎月の利益から少しずつ返済していくことができます。
元金均等返済と元利均等返済
分割返済には、元金均等返済と元利均等返済とがあります。
また、銀行に返済する際には、借りた金額そのもの(元本)と、融資の利用料(利息)とをセットで返済していくことになります。
元金均等返済
返済していく「元金」部分が固定額になっているパターンのものです。
この場合、返済開始当初は、固定額の元本にさらに利息が乗っかるため、多めの支出になります。
返済が進んでいく都度、利息が小さくなっていくため、支出は少なくなっていきます。
元利均等返済
「元本」+「利息」の総額が固定額になっているパターンのものです。
この場合、返済開始当初から最後まで、支出額は一緒になります。
ただし、返済開始当初は、元利のうち利息の占める割合が大きいことから元本がなかなか減らず、返済が進んでいく都度、元利のうち元本の占める割合が大きくなっていきます。
据置期間
「据置期間」とは、元利返済のうち、元本部分の返済スタートを保留してもらう期間のことです。
最初は利息のみ支払い、据置期間経過後に、元本+利息で返済していくことになります。
据置期間は長ければ長いほどいいかというと、そういうわけでもありません。
まず、デメリット①として、返済期間が伸びるわけではないため、例えば、返済期間の全体が5年(毎月返済・60回)だとして、うち1年(12回)を据置期間とすると、残り4年(48回)で返済していかなくてはならず、据置期間なしと比べて1回あたりの支出額が大きくなってしまいます。
また、デメリット②として、据置期間中は元本返済が進んでいないため、返済実績が積めず、新しい融資が受けにくくなるということが挙げられます。
据置期間を長く取れれば取れるほどよい、と考えるのではなく、自身の事業の状況と照らして最も適切な期間を考えたいところです。