”誰に・どう”デザインする?

技術力の高い商品・サービスを提供したいという考え方もとても重要なのですが、一方、それを、”誰に・どう”デザインするのかという考え方も強く持つ必要性を感じます。

目次

技術性・芸術性を高める

どのような商品・サービス・業務にも、技術性があります。

高い技術も、積み重ねれば芸術性すら感じさせられます。

よりよい商品・よりよいサービスを高めることもとても重要で、その道を選んだ人が、日々研鑽してなし得るとても尊いことだと思います。

一方で、どれほど素晴らしい商品・サービス・業務にも、限界があります。

第三者は、”何となくの素晴らしさ”は感じることができても、実際にはどのような商品・サービス・業務であれ、そのカテゴリーのなかでひしめき合っているので、その”カテゴリー”にとらわれた状態で選ばれることになってしまいます。

なので、”それが相手にとってどうよいのか”ということも伝えることがなければ、”唯一無二のその人・状況にとっての価値あるもの”を生むことができず、結果、その相手にとってのよさを”自分ごととして価値あるものとして”感じてもらうことができません。

あなたならではのこだわり

”何でもできますは何もできない”などと言われますが、自分自身のこだわりがない状態で、誰にでも合わせます・何でもやりますであると、結果、”何でもいいです”にも見えてしまい、結果、なかなか誰からも何からも着目されない、といったことがあります。

商品やサービスが溢れた状況において、他と差別化して選んでもらおうと考えると、唯一無二の「自分」という「人間の個性」を突き詰めていくに尽きると感じています。

世の中で、自分という人間とまったく同じ人間はいないからです。

ITやAIの技術が進展すればするほど、この”人間らしさ”に価値が置かれるようになる気がしています。

ITやAIの技術は「手段」であり「道具」であるからです。

自分自身が誰かのためにどのようにお役に立てるか、ということについて、「その人ならではのこだわり」を持ってさらに磨くことが、一番の差別化といえるような気がしています。

もちろん、こだわりを持つ、ということは、”何かを選び、何か捨てる”ということと意味を同じくすることもあります。

しかし、自分のこだわりに沿わないものを無理に選ぶこともまた自分にとってそもそもストレスなわけですし、無理に選ぶ意味もない気もします。

”誰に・どう”デザインするか、真剣に考える

こだわりを持つといっても、それが自分のなかだけでの技術性・芸術性であっては、対外的に受け入れられにくいものになります。

「そのこだわりによって、目の前のその人にどのようにお役に立てるか」といった観点が重要になると考えています。

「目の前の相手を大事に思い、相手の役に立ちたいと思う気持ちの表現方法としての『技術』」と考えることができれば、”誰に・どう”デザインするかについて考えるきっかけを持つことができます。

そうすると、おのずと相手の状況や要望を聞かなければそうできないため、「いかに相手の状況・要望をしっかりと聞くことができるか」ということに技術が求められることになります。

さらに、相手はすべての状況・要望をうまく言語化できているとは限りません。

そのため、ただ相手の言葉を聞くのではなく、様々な角度・深度から質問をしつつ、誤解することなく、相手の本当の状況・要望を”感じ取る”力(人間的な感性)も求められます。

自分のなかで、しっくりくるくらい具体的にイメージできるようになると、自分の商品・サービス・技術を”その目の前の相手のために”どうデザインし、かつ、活かせばよいか、が見えてきます。

”しっくりくるくらい”とは、「いつ・どこで・なぜ・誰に・何を・どのように」といったことのイメージを持つことができるかといったことだと思っています。

また、その商品・サービス・技術を提供するにあたっては、「自分ならではの受け止めと、なぜそれを提供するのか、自分ならではのこだわりのもとにどのようにそれを選択したのか」言語化して伝えることが必要だと思っています。

言語化して伝えることで、”相手のなんとなくの満足感”が、 ”目に見える具体的な満足感”として受け止めてもらえるためです。

もしも踏み込んで質問することが気が引けるのであれば、前置き(より適切な商品・サービス・業務をご提案させて頂くためにお伺いしたいのですが)をすればよいだけの話なのだと考えています。

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