”利益→資金→利益”なのか、”資金→利益→資金”なのか

最初に利益があって資金が蓄積されるのか、最初に資金がある状態で利益を積み重ねていくのか。

松波竜太編著・監修、資金調達相談士協会著「中小企業の財務改善ノウハウ」(第一法規)を参考にして。

目次

”資金不足”の経営判断に与える影響

「資金がない」

経営におけるこの圧倒的不安感は、なってみないと分からない部分もあります。

資金がなければ、”必要な支払いができるだろうか”・”仕入を控えておこうか”・”設備投資なんてとてもできない”などといった後ろ向きなマインドになり、切羽詰まると夜も眠れないほどになりますし、当然、本業を大きく圧迫します。

資金があれば、必要な支払いがきちんと行える安心感をもって事業ができることに加え、事業における適度なリスクテイクをすることができることから、自信をもって、仕入や設備投資を行うことができます。

資金調達には「利益」が必要

創業融資であれば、超例外として事業計画で資金調達することができますが、いざ事業がスタートすると、「利益」がなければ融資などの資金調達は難しくなります。

”資金に困ったら融資を考える”と考えがちですが、銀行などの貸す側の心理になってみれば容易に想像できるとおり、”返してくれる見込みの低い先にはできれば貸したくない”ものです。

つまり、事業において、融資は、困る前に借りるのが基本であるといえます。

さらにいえば、融資を受けるためには「利益」が出ているかどうか・出る見込みが高いかどうかが重要になります。

資金→利益→資金

事業のスタート時に、恵まれた資金状態であればよいですが、そうでない場合がほとんどです。

そのような場合において、”資金不足”から適切な経営判断が行えず、いつまでも利益が出ない状態が続くと、融資を受けることも難しくなり、縮小均衡(=衰退)になってしまいます。

よって、事業の順番としては、「資金があること」が最も重要で、次に「利益があること」ということになります。

余裕のある「資金」状態から、前向きで適切な経営判断を行って「利益」を獲得し、さらに余裕ある資金状態から、より前向きで適切な経営判断を行う、という好循環を目指す、というものです。
(資金→利益→資金)

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