銀行の融資審査がどのような流れで行われるか知っておきたいところです。
松波竜太編著・監修、資金調達相談士協会著「中小企業の財務改善ノウハウ」(第一法規)を参考にして。
目次
融資審査の流れ
融資審査は、基本的に、以下のような流れで行われます。
STEP
第1次評価:定量分析
STEP
第2次評価:定性分析
STEP
第3次評価:実態評価
第1次評価:定量分析
第1次から第3次まであるものの、おおむねこの第1次評価により、融資枠・利率などの大枠の条件が決まるといわれています。
決算書(財務諸表)から見られるポイント
主に重視されるのは以下のポイントであるといわれています。
- 安全性
- 収益性
- 成長性
- 債務返済能力
安全性
- 自己資本比率
- 流動比率
- 固定長期適合率(固定資産/(固定負債+純資産))
- ギアリングレシオ(総負債/(役員借入金+純資産))
収益性
- 売上高経常利益率
- 総資本経常利益率
- 収益フロー(3期の経常利益の推移)
成長性
- 売上高
- 自己資本額
- 経常利益増加率
債務返済能力
- 償却前営業利益(営業利益+減価償却費)
- インタレストカバレッジレシオ((営業利益+受取利息配当金)/支払利息割引料)
- 債務償還年数((融資残高ー所要運転資金)/(経常利益+減価償却費ー法人税等))
申告書から見られるポイント
- 別表2:株主構成(誰が株主なのか、株主になっている理由)
- 別表4・5:損益計算書と別表の当期純利益が合っているか、貸借対照表と別表の繰越利益金額が合っているか
- 別表11:個別金銭債権への貸倒れ状況(売掛金の資産性の確認)
- 別表16:償却不足になっていないか(損益計算書の減価償却費と合っているかどうか)