業績低迷期は、銀行との関係性において、どのような点に留意すべきか。
松波竜太編著・監修、資金調達相談士協会著「中小企業の財務改善ノウハウ」(第一法規)を参考にして。
目次
4つの赤字
いわゆる「赤字」、資金調達という面からは、以下の4つの意味での「赤字」があるといわれています。
- 損益計算書:当期純損益のマイナス
- 貸借対照表:純資産のマイナス(債務超過)
- キャッシュフロー:営業活動と投資活動によるキャッシュフローのマイナス
- 法人税申告書:繰越欠損金
4つの赤字の捉え方
上記の4つの赤字をどのように捉えればよいか。
損益計算書 :当期純損益のマイナス | 2期連続になると、印象が非常に悪くなる |
貸借対照表 :純資産のマイナス(債務超過) | 非常に印象が悪いため、早期に解消する |
キャッシュフロー :営業活動と投資活動によるCFのマイナス | 2期連続になると、印象が非常に悪くなる |
法人税申告書 :繰越欠損金 | あると税額抑制にはなるが、増えすぎると印象が悪い 期限切れに注意 |
キャッシュフローに関していうと、10年分のキャッシュフローでも返せない債務残高になっていると、超過債務と映ってしまうので注意したいところです。
どうやって赤字を減らすか
- 役員報酬を下げる(=社会保険料を下げる)
- 無駄な保険をなくす
- その期に赤字が避けられない場合、2期連続を避けるため、在庫処分や債権整理などを整理してその期に損失を出し切る
- 営業CFを改善する(支払サイクルをより長く、回収サイクルをより短く)
- 投資CFを改善する(在庫削減、設備投資計画の見直し)