業績低迷期は、銀行との関係性において、どのような点に留意すべきか。
松波竜太編著・監修、資金調達相談士協会著「中小企業の財務改善ノウハウ」(第一法規)を参考にして。
目次
業績が厳しい場合の融資申請書類へのプラスα
業績が厳しいときに融資申請する場合には、以下のような書類を添えたほうがよいと考えられています。
- 事業計画書
- 資金繰り表
- 銀行別借入明細書
- 担保物権一覧表
事業計画書の留意点
事業計画書には、以下のような項目を盛り込んだほうがよいと考えられます。
- 事業の概況(現況)
- 経営上の課題
- 重点取組項目、具体策
- 業績推移と今後の見込み
- 借入金の残高推移
サンプルとしては、日本政策金融公庫の「事業計画書」が参考になると考えられます。
リスケ依頼でなければ精緻に作る必要はなく、「スピード」重視で、かつ、経営者の思いを文字・数字に落とし込むような進め方で考えたほうがよいとされています。
チャックされることとして、「実現可能性」・「過去との整合性」が考えられます。また、「返済可能性」という視点でも見られると考えられます。
資金繰り表の留意点
向こう半年分の予定表を作成する必要があります。
ただ、改善を試みようとするあまり、入金の早期化・支払サイクルの変更・支払時期の延長といった交渉を行ってしまうと取引先からの信用不安を起こす可能性がある点は十分に留意が必要であると考えられます。
サンプルとして、日本政策金融公庫の「資金繰り表」が参考になると考えられます。
銀行別借入明細書の留意点
以下のような項目を開示することで、銀行より効果的な借換えや制度利用を提案してくれることが期待されると考えられます。
- 銀行名・支店名
- 借入残高
- 当初借入額
- 借入月
- 返済期間
- 返済期日
- 利率
- 資金使途
- 月返済額
- 担保・保証人の有無
- 保証協会付きか否か
担保物権一覧表の留意点
担保が求められることに備えて、所有不動産について、以下のような項目を開示しておくこともひとつです。
- 担保の有無
- 種類(固定資産税通知書より)
- 面積(固定資産税通知書より)
- 共同担保、事業関係外の所有者との共有関係があるかどうか