相手を継続的にサポートしていくためにどのようなことに気をつけておくべきか、考えてみました。
和仁達也著「独立系コンサルタントの成功戦略」(かんき出版)を読んで学んだこと、キャッシュフローコーチとして感じたこと。
”問題そのもの”というよりも、”アプローチ”
「相手を継続的にサポートしていく」ということに主眼を置いて考えるとすると、相手のために自分自身が何に力を入れて整えておくべきか考えさせられる気もします。
経営環境は複雑です。また、それぞれの分野の専門性も高く、かつ、毎年のように更新されていきます。
どの分野においても、常に高い専門性を最新の状態で維持するということは、スーパーマンでもない限りは事実上不可能といえます。
自分のもともとの守備範囲を最新の状態に保つことでやっと、というのが実際のところです。
そのような現実を踏まえてもなお、どの分野においても最新状態を保とうとすると、おのずと”相手のことを知っておく”という重要なベースの部分が疎かになってしまいます。
「相手を継続的にサポートしていく」ということに主眼を置いて考えるとすると、
あらゆる”問題そのものへの対処・解決”に焦点を置くというよりも、
”その問題に対してどのようにアプローチすればよいか”という部分、
つまり、問題解決そのものではなく、相手と外部との”関係性”の部分、
もっといえば、”いつもクライアントから相談したいと思ってもらえる関係性でいる”という部分に焦点を置く方が、より現実的な形で、相手のお役に立てるのかもしれません。
経営者のお困りごとは普遍的でも、ディティールは異なる
経営者のお困りごとは、ある程度普遍的な面があります。
- 事業のお金の流れが漠然としていて、先の見通しを立てることができない
- 社長は事業に常に危機感・緊張感を持って臨んでいるつもりだが、社員とうまく共有できない
- 当初の目標を達成してしまい、次なるビジョンが見えない
経営していくうえでのお困りごとは普遍的ながらも、それぞれのディティールは、時代とともに常に敏感に変化しているはずです。
見通しやビジョンの立て方ひとつ取っても、その時々の経営環境によって敏感に変わるはずです。
また、社員との関係性を取ってみても、どの世代かによっても敏感に変わります。
この敏感に変わる状況を、「相手とともに考えていける関係性」「相手から相談してもらえる関係性」に重点に置くことができるなら、相手からも存在を必要とされ、継続的にサポートしていくことができます。
そのような関係性でいるためには、と考えると、以下のようなことをまず重点的に心がけたいものです。
- 短期的な関係性では踏み込めない、相手の”これまで”をよく知っていること
- 短期的な関係性では踏み込めない、相手の”普段の状態・自然な状態・理想の状態がどういう状態であるか”を知っていること
- 短期的な関係性では踏み込めない、相手の”個人的な状態・家庭の状況”を知っていること
成功体験を上書きしていく
相手のお困りごとは、相手が事業のステージを進めていくたびに、常に内容も質も変化していきます。
逆にいえば、相手が現状に甘んじずに事業を果敢に進め、変化していくからこそお困りごとが発生しているのだ、ということができます。
「相手から常に相談したいと思ってもらえる存在でいること」をテーマに考えるのであれば、相手の変化にあわせて、自分の「あり方」も変化に対して柔軟でありたいところです。
過去の自分でストップせず、経験則のみで判断しようとせず、常に成功体験を上書きしていくような心持ちでいたいと考えます。