小さな一致点を積み重ねていきながら話をすると、話す側も安心して話すことができますし、聞く側も唐突な印象を受けることなく聞きやすくなる場合が多いものです。
和仁達也著「コンサルタントの対話術」(かんき出版)を読んで学んだこと、キャッシュフローコーチとして感じたこと。
許可を得る
”相手へ提案事項を話し、許可を得る”
なかなか大仰です。話す側も緊張して顔が強張りそうですし、聞く側も構えてしまいそうな気がします。
緊張せずに話していくために、聞く側にもできるだけ戸惑わせずに聞いてもらえるようにするために、”小さなことから許可を得ていく”ようにするとよさそうです。
「お話させて頂いてもよろしいでしょうか?」
このひと言があるだけでも随分雰囲気が違ってきます。
人は誰しも主導権を持っていたいと思うものです。
お話させて頂いてもよろしいでしょうか?、という言葉によって、相手を尊重しているということを「許可を得る」という形で伝えることができます。
お話させて頂いてよろしいでしょうか?と聞いて、ダメだという相手はそうそういないものですし、自分と相手とのまずは小さな一致点を見つけて合意する、というステップを経ると経ないではその後の展開も変わってきます。
数年前、クレーム対応に上司と同行したことがあるのですが、先方の話が少なくなってきたときに、お話させて頂いてもよろしいでしょうか?と上司が話して先方に許可を得てから話をするようにしていて、徐々に話がまとまっていくのを見て、その重要性を強く認識しました。
2ステップで許可を得る
さらに、和仁達也著「コンサルタントの対話術」(かんき出版)では、 2ステップで許可を得る、という話をされていました。
「業務上プライベートなことを聞くことがございますが、よろしいでしょうか?」
という形です。
この一文は、「プライベートなことを聞いてもよろしいでしょうか?」よりも、より丁寧な印象を与えます。
いきなり許可を得る言葉を切り出す前に、ワンクッション置くというものです。
”業務上プライベートなことを聞くことがある”というワンクッションです。
話す側も聞く側も安心しやすい
上記の「業務上プライベートなことを聞くことがございますが、よろしいでしょうか?」 、
業務の一環として全社的にそのようにしています、という一般論の前置きをした後に、許可を得る言葉を切り出すので、相手にとってもより唐突さがなくなり、聞きやすい言葉となっています。
最初から最後まで”自分ごとの話”であると、相手も終始身構えることになります。
一方、前半は一般論として気軽に聞いてもらえ、後半のみ”自分ごと”として聞いてもらう形なので、話す側も気持ちを楽に話すことができ、聞く側も聞きやすくなりそうです。