「聞く」に重点を置くというと、なんとなく”受け身”なイメージがありますが、実際には、聞きながらも受け身ではない姿勢を持つことが必要と感じています。
和仁達也著「独立系コンサルタントの成功戦略」(かんき出版)を読んで学んだこと、キャッシュフローコーチとして感じたこと。
話す割合は「相手8割、自分2割」を意識する
なんとなく、”話す技術”・”説明する技術”に目が行きがちですが、客観的に考えて、相手から隙間なく間髪入れずに話されても、(それがいかに上手な話し方・説明であったとしても)なかなか相手の話はうまく入ってきません。
むしろ、自分の意向や要望が伝わらなかった、という思いだけが残ることも多いです。
話すというよりも、やはり”いかに聞くか”の方が重要だと思っています。
話すときは、「お話させて頂いてもいいですか?」とワンクッション置き、相手が聞く姿勢になっていることを確認した後に、話す程度がちょうどよいのだろうと思います。
話す割合として「相手8割・自分2割」といったことがよく言われます。
おそらく、そのように心がけたとしても、結果として「5割・5割」くらいになってしまっていることもあります。
聞く=受け身ではない
一方で、「聞く」ということは「受け身」なのではないか、と思われがちです。
確かに、”聞き流す”と「受け身」になってしまうかもしれません。
しかし、”聞き流す”のではなく、”聞く”となると、相手の言わんとすることや真意を掴もうと全神経を集中しながら、相槌や抑揚をつけて聞くことになります。
そのなかで、相手の話している事実関係を整理するために、途中で「質問」することもあります。
また、相手のこれまでの経緯や嗜好から、一貫していないかもしれないことについて、「質問」することもあります。
あるいは、”相手が気づいていないかもしれないこと(=盲点)”も、話のなかから見つけ出して問いかけるといったこともあるでしょう。
このように、”聞き流す”のではなく、”聞く”となると、特に「受け身」ともいえません。
むしろ、相手が現状から理想に向けて、できるだけまっすぐ走っていけるように、ときには仮説を立てて先回りすることもあるように思います。
”気づいていない”お困りごとの言語化
相手のこれまでの話を、”聞き流す”のではなく、”聞く”ようにすると、おのずと相手の現状がよく分かり、相手の理想もよく分かるようになるように思います。
相手の「方向性」が決まっているのであれば、それを理解したうえで、その方向性に沿ったプランを自分のなかに持ちたいものです。
ここまで来ると、”能動的に聞いている”といえる気がしています。
受け身で聞き流していると、相手の目先で顕在化した問題のみを行き当たりばったりに解決していくこと一択になってしまいます。
自分ひとりでは、そもそも「何が分からないか分からない」・「困っているのだけれど、そのモヤモヤをうまく言葉にできない」といった状態になりがちです。
対話することによってモヤモヤを言語化し、問題として顕在化させたうえで、解決に向けて行動していく、といった姿勢も必要なのだと感じています。