孫子の兵法”戦わずして勝つ”。具体的に、どのように考えればよいか。
佐藤義典著「実践マーケティング戦略」(日本能率協会マネジメントセンター)を参考として。
孫子の兵法の「戦わずして勝つ」
孫子の兵法とは、紀元前5世紀中頃~紀元前4世紀中頃あたりに成立したと推定される軍事理論書で、今も非常に重宝されています。
そのなかの孫氏の教えに、以下のようなものがあります。
「戦わずして勝つ」
戦うことは博打の要素もありますし、大きな損耗も伴うことです。
戦わずに勝つことができれば、それが一番です。
様々な解釈が成り立ちえますが、佐藤義典著「実践マーケティング戦略」(日本能率協会マネジメントセンター)では、以下のように解釈しています。
「勝ちやすい戦場(=できるだけ敵のいない戦場)を選ぶ」
真正面から総力戦を仕掛けるのではなく、そもそも敵が少なく、勝ちやすい戦場を選び、戦うというものです。
勝ちやすい戦場を選ぶ=定義する・切り取る
これを事業に置き換えて考えてみると、”勝ちやすい戦場”はどこであるといえるか。
様々な場合・切り口が考えられます。
場所・地域
場所・地域によって、住む人の属性はまったく異なります。また、人通りなども異なります。
どのような属性の人が住んでいるのか、駅から近いのか、競合が多い場所なのか、などなど。
商品が置かれる棚
自社商品が置かれる棚(場所)によっても異なります。
隣に置かれるものこそが競合ということになります。
顧客ターゲット
誰をお客様であると捉えるのかによって異なります。
競合の商品群
誰を競合と捉えるのか。それは、同じ商品を取り扱っている会社とは限りません。
商品の買い手であるお客さまの頭のなかの”解決したいこと”が基軸ともなりえます。
お客様の予算感
お客様の頭のなかには、どのジャンルにどれくらいのお金を使うかという”予算感”があります。
法人に置き換えれば、どの費目にどれくらいのお金を使うかという”予算感”ということになります。
”戦場”は誰が決めるのか
この”戦場”、最終的に誰がその正しさ・勝敗を認めるのか。
自社は自社独自の”戦場”を切り取り、定義し、それに拠って立って戦います。
それが勝てるかどうかは、最終的に「お客様」が決めることになります。